続・役には立つけど好きにはなれない本
★★★☆☆
「美術で読み解く」シリーズ3作目。
カバーには「聖書の解説から西洋名画の見方が大きく変わる」と書かれているが、「聖書」の解説となっているのか、「西洋名画」が掲載されているのか、「大きく変わる」のかなどについては、人それぞれで意見は分かれそう。
興味と好奇心で聖書に少し触れてみたいといレベルなら、絵画を引き合いに出しながら、斜に構えた読み取りをしていく本書・本シリーズも悪くはない。
ただし、シリーズ3作を通じて言えることは、何か“卑しさ”のような微妙な“不快感”を感じざるを得ない表現がところどころにみられることが気になります。
たとえば、本書では、
「至る所に小さなマリア像が日本のお地蔵さんのようにちょこんと立っております。夜露から守るためか、小さな祠の中に納められているものもあります。そこには線香や、温泉饅頭、缶ビールこそ置かれておりませんが、季節の花などが手向けられております。」
・ヨーロッパの町々や村々の至るところに“線香”や“温泉饅頭”が・・・・。
こんなのもあります。
「この羊飼いは前のものと同じくポシェットを肩にかけております。その中にはおにぎりやウーロン茶が入っているかもしれません。」
・何をどう思いめぐらすと「かもしれない」事実に行きつくのでしょうか。
「『黄金伝説』(平凡社ライブラリー)をひもといてみてください。どこまでがノンフィクションで、どこまでがフィクションなのかわからない話が長々と書かれております。まあ、鼻毛でも抜きながら読んでください。」
・この本は読んだほうがよいのでしょうか。読むと馬鹿を見たと笑われるのでしょうか。