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史記の風景 (新潮文庫)

価格: ¥460
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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史記 ★★★★★
中国の古典を題材にした小説を書いている作者の、史記についてのエッセイです。非常に広範で、ややとりとめない感じですが、中国の古代の風景にいくらか近づけたような気がします。
宮城谷流・史記の解説 ★★★★★
司馬遷の史記をベースにしながら縦横に筆を走らせ、全部で101章。テーマは多岐にわたっており、中国古代の習俗(「長幼の序」等)や特定の時代(「謎の西周」等)、さらには史記の後世への影響(「諸葛孔明の『史記』」、「大うつけ」(つまり織田信長)、日本の「大政奉還」等)にまで筆が及ぶ。各章は2〜3頁で、特定の事件を扱った章、例えば「馬陵の戦い」では2頁の中で史記の記述から現代考古学の発見、そして著者の推理まで叙述が展開する。

このように、本書では、単なる史記の解説にとどまらない、中国古代史・社会を出発点とした著者の思考の逍遥を楽しむことができる。私は特に義に殉じた「門番の活躍」の章、そして蕪村のまさしく史記の広大な風景を描いた「指南車を胡地に引去ル霞哉」という句が気にいった。

読者は本書によって、史記が「人知の宝庫」であること、そして後世に及ぼした影響の大きさを理解できるだろう。
史記から 少しずつ話題を ★★★☆☆
 宮城谷昌光という人は、僕にとっての文学的アイドルの一人で、彼の小説からくみ出して自分の人生の処世訓にしているものも多々あるような人なのですが、なにしろ著作が多いし説明しようとするとパソコンで変換されない字が山ほど出てくるという困った人でもありますし、多少は文章を読み慣れていないと話を楽しむ前に投げ出してしまいない怖さがあってなかなかおすすめが難しいのです。
 そんなわけで、今日は彼のエッセイというか随筆を一つ紹介してみたいと思います。
 この本を最初に読んだのはもうかれこれ7年くらい前のことになるんですが、根が馬鹿だからかなり内容を忘れていて初めて読むように楽しめました。
 内容のほうは、『史記』という司馬遷の書いた本についてのさまざまなエッセイということで、各章は二ページから三ページくらい。電車で一駅もいかないくらいに読み終わる量です。が、素材の切り取り方や話の内容が面白いので、一つの章をじっくりと読んでいろいろ物思いにに耽ったりできるかと思います。
 この『史記』が書かれたのが、だいたい紀元前90年くらいといいますから、日本でいえば弥生時代のあたり。まだ日本がそんな文明程度の頃に中国では既に過去二千年間を総括するような巨大な書物が出来ていたかと思うと、それだけでもう時間の巨大さ、人の営みの連綿たるつながりに心を遊ばさないわけにはなくなってしまいます。
 この本の中で僕が面白いなぁと思った雑学的な話を一つ挙げてみると、例えば数の数え方にも使われたり、公式文書で使われる、甲、乙、平、丁という言葉。戦前なんかまではよく使われていたり、今でも法律書類でよくみる、甲と乙のあれです。あれは、中国古代の商という王朝の王様の名前として順々につけられている文字なんだけれど、、、あの配列をちょっと見てみましょう。
 甲、乙、平、丁、戌、己、庚、辛、壬、癸。。。
 これ。そのまま見ていると単なる文字の羅列なんだけれど、読みを見ていくと、、
 コウ、オツ、ヘイ、テイ、ボウ、キ、コウ、シン、ジン、キとなります。なにか気付きませんか? オツをイツ、すなわち1と読んでみると、1、2、3、4と読めると思いませんか?  これは凄い話だなぁと僕はとても敬服してしまったりするのでした。
 もちろん、そんな話ばかりでなくて、人物的なエピソードがたくさんありますので、御安心下さい。ちょっと古い本なので手に入りにくいかも知れませんが、機会があったらまた読んでみて下さい。
不満足 ★★★☆☆
各エピソードが2ページ程度に収められており、その短さに不満足感を抱きました。
ページ数を割いて、より深く語るものを期待します。

評価できる点としては、
断片的ながらも著者の見方などがうかがえて面白い、といったところ。

中国って奥が深い ★★★★★
中国史に傾く人間はまず読んでいるといっても過言ではない「史記」について、著者の卓越した歴史観と独特の言葉遣いにより、難解な文章は平易に、登場人物たちを生き生きと感じることができる。全体を網羅しているというのではないので、原書にあたってもらう事が第一であるが、とっつきやすさという点ではオススメの書物である。