人の運命(さだめ)。
★★★★★
カムイ伝、カムイ外伝を通じて一貫して流れているテーマは、人は何のために生きるか、という哲学的テーマなのだと思われます。
カムイ外伝7巻を読んでいて、こんなセリフに出会いました。
「一匹のねずみありて、ねずみ(種)がある・・・・
故にねずみは鷹、猫の餌たりうる・・・
万に一つの機をかけてあがく理もそこにある
あがきが、あってこそ、石も機になりうる
それも、運命(さだめ)」
カムイは人の世の定めに背いて生きています。カムイが抜け忍であるのは忍びの掟を守る者が大勢いるからという逆説が成り立ちます。
それは、人間がつくったルールに背いているのか、それとも神が定めた人間の種としてのルールなのか。
これが「カムイ」の主題だと感じています。著者は細部まで描きとおすことによって、読者と五分五分。お互い考えようじゃないか、という状態にしているのではないでしょうか。
第7巻は「剣風」第2話〜第4話です。
柳生一族という時代劇では度々登場する、剣の名門との逸話です。ここでもカムイが主役ではなく、カムイを巡る風聞ののような形式で描かれています。
柳生一族の争い。カムイを追う伊賀。伊賀と柳生。柳生に殺された草薙の太刀の使い手、馬来十蔵。その馬来に命を助けられ、剣の師匠ともなった謎の僧。因果応報が絡み合って物語は進行します。
人の世の生態系、あるいは運命、といった読み手によって受け止める概念は多少異なるかもしれません。
それほどに根源的なテーマが背景に盛り込まれていると思っています。
「決定版カムイ伝全集」(カムイ外伝 11巻セット)が出てしまった現在に於いて、
★★★★☆
★☆★「決定版カムイ伝全集」(決定版カムイデン全集 カムイ伝 外伝 11巻セット)が出てしまった現在に於いて、
この『叢書版』の役目は、もう済んだのかも知れません。
◆『┃カ┃ム┃イ┃外┃伝┃』とは・・・・・ 理不尽とも云える忍者社会に属してしまった主人公“カムイ”。
彼が“抜忍”となってからの苦悩と、彼を取り巻く“人間模様”を描いたエピソード集。 ∴∵∴∵
この『叢書版』シリーズ、せめて表紙は作者の原画を使用していただきたかった。
だが、この表紙も渋い魅力があって良いとも思う。
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┃◆カムイ外伝(7)〔小学館叢書〕白土三平★前巻に続き【剣風】より『死相』等、3話分を収録 +o。。o+゜゜+o。。o+゜゜+o。。o+゜
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漫画を超える!
★★★★★
世の不条理、自由への戦い、人間の本質といったものがすべて含まれていて漫画では収まらない大作。
漫画を超える!
★★★★★
世の不条理、自由への戦い、人間の本質といったものがすべて含まれていて漫画では収まらない大作。
漫画を超える!
★★★★★
世の不条理、自由への戦い、人間の本質といったものがすべて含まれていて漫画では収まらない大作。