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マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ (コバルト文庫)

価格: ¥440
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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壊れる志摩子さん ★★★★☆
第22巻・「薔薇のミルフィーユ」。

黄薔薇・白薔薇・紅薔薇、それぞれの姉妹たちの揺れる心を描いた短編集です。一応は本編と言っていい流れですが、3つの話に関連性が無いため印象は薄いかもしれません。

とはいえ、見所は盛りだくさん。
由乃さんの妹候補・有馬菜々ちゃんが正式に登場。由乃さんを上回る飛ばした性格であることが発覚。

佐藤聖さまと乃梨子ちゃんの初対面も実現。絡みまくる聖さまに、まったく動じない乃梨子ちゃん。
そして祐巳のふとした言葉に、笑い転げる志摩子さん。その壊れた様子は、後にも先にもここだけでしか見れない衝撃の場面。「……志摩子が壊れた」必見です。

紅薔薇姉妹は、ついに待望の遊園地デートに出発。しかし、邪魔者柏木さんがまた現れて妙な展開に。
それにしてもよく出てくるな柏木……と思っていたら、ここで初めて彼の、祥子さまに対する本当の気持ちが明かされます。何だか柏木さんのための話みたいになってしまって、肩透かしをくらった気分でしたが。
祐麒君のヤキモチもあって、これはこれでいいお話。

物語の進展は、次巻に期待しましょう。
時間は過ぎていく ★★★☆☆
個人的にはずいぶん熱がさめたマリみてですが、要所要所で踏みとどまっているのは、作者さんの引きの上手さでしょうか?
(商売事情が強いんでしょうが)
祐巳の妹問題はまだ決着がついていないですし、由乃に関しても祐巳と同じで瞳子と似た立場の奈菜を出す事で決まっているようで妹問題が決まっているようで決まりきっていないというあいまいな立場を残しておき、きっとこうなるんだろうけど、、でもこうなるかもな、などと読者に想像を止めさせません。

ただ読んでて思ったのは、1巻から地味に時が過ぎているって事ですね。もうすぐ3年生なってしまうわけですが、この作品はどの時期まで行くのでしょうか。
現3年生キャラがいなくなる感じをまじかに感じてふと寂しくなってしまいました。

祥子さま ★★★★☆
やっぱり祥子さまは凛々しくも優しく
ことあるごとに祐巳に叱責する祥子さまであってほしい。
弱弱しい祥子さまなんて見たくないよ~
淡々と時間は進む ★★★★★
短編3篇収録。
第1話。令ちゃんがお見合い!? 気になる由乃と菜々は会場への潜伏を試みるが…。
第2話。志摩子さんが校門で、割烹着姿の謎の男に連れ去られる。その男の正体とは…。
第3話。待ちに待った祥子さまとの遊園地デート。しかし、その遊園地にはあのメンツが…。

短編3篇のセットだが、番外編というわけでもなく、着々と事態は進行している。来年度の山百合会の人間関係がどうなるのか(今年の誰の役回りを誰が引き継ぐのか)、なんとなく方向性が見えた気分だ。来年はあんなこと、こんなことがあるだろう、と、今から想像力をかきたてられる。

以下、個人的に見所を。

1)菜々、突っ走る! 由乃さんが「青信号でGO!GO!」なら、菜々は「赤信号でもGO!GO!」だ。
2)性さま、もとい、聖さまのセクハラオヤジぶり復活! しかし、それにまったく動じない人がひとり。
3)志摩子さん、薔薇の館で壊れる! あの冷静な志摩子さんが、志摩子さんが…。
4)祥子さま、はしゃぐ! そして、柏木さんが今回はなんとも言えず好青年。

いかにも最近のマリ見て ★★★☆☆
5つ星を付けている人も何人いるが、
どういうつもりか全く理解できない。
今回の新刊が過去の名作群に比肩しうると本気で思っているのだろうか?

率直に言って、ここ最近のマリ見ての低調そのままの作品である。
当たり障りのないエピソードを連ねて、最後は消化不良で終わる。
男性キャラの素性や年齢を隠して読者の想像を刺激する手法は、
過去の作品でも何度も使われているのでもう飽きた。
この作者はこう言うパターンしか使えないのだろうか?

百合ブームを起こし、コバルト文庫に多くの新規読者を獲得したマリ見て。
しかし、ここへ来てネタの枯渇と露骨な引き延ばしが目立つようになり、
正直、作者の才能の限界を感じさせる。
所詮、コバルトの、子供向けの作家に過ぎないと言う事か・・・。