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幕末維新と佐賀藩―日本西洋化の原点 (中公新書)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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もうちょっと詳しくなりたい歴史ファンにも ★★★★☆
明治維新の立役者とされる「薩長土肥」(=薩摩(鹿児島)・長州(山口)・土佐(高知)・肥前(佐賀))の中で、
今まで影が薄いと思われてきた佐賀藩をあえて中心に据え、明治維新史をとらえ直す。

前半では賢君と名高い佐賀藩主・鍋島閑叟(かんそう)を、
後半では司法の父と称えられのち佐賀の乱で処刑される元佐賀藩士・江藤新平を主役に、
知られざる歴史の躍動を描くスリリングな一冊。

専門の歴史家にとっても大いに参考になるし、
かつ一般の歴史ファンにも比較的分かりやすく書かれてあるのが好印象。
スリリングだった ★★★★★
スリリングだった。
新しい歴史のたどり方にグイグイ引きこまれた。

佐賀戦争の真実。江藤新平処刑のウラにあるもの・・・
「江藤抹殺」における大久保の心情。

さて、本書は佐賀の話である。
江戸時代、そして幕末、維新期を通じての、佐賀藩のポジションがよくわかった。
異国船警備を背景とした、他藩にはない世界情勢の把握と文化や技術の吸収。
吸収した知力に裏打ちされた時代への的確な対応。
鍋島閑叟公の人柄の影響を受けた藩士たちの理性ある理知的な対応での時局での対応などが伝わってきた。
幕末期、世人は佐賀人の気風を評して「佐賀の議倒れ」と揶揄したとか。
議論ばかりしていて、行動の伴わない人たちという意味らしいが、根気よく議論を交わしながら製造に成功したアームストロング砲が、欧米列強から日本を守り、維新を成し遂げる幕末期での最強の兵器であったことはいうまでもない。
維新史の欠けた視点が補われた! ★★★★★
これまで、維新史の新政府の成り立ちがいま一つよくわからなかったが、それは薩長寄りの史観に侵されていたからで、無能と言われながらも新政府が有能な佐賀藩出身者によって支えられていたのだとわかった。
江藤新平についても、維新史の中でその姿がよく見えなかったが、本書を読んで理解できた。

いまでは片田舎にしか見えない佐賀が、幕末・維新のころになぜ、どのように活躍したのかという、長年の私の中の謎が氷解した。
佐賀藩校弘道館の流れをくむ高校卒業生として ★★★★★
薩長土肥と言われる割にはどうも影の薄い佐賀。その佐賀の幕末、明治維新における真の姿を浮き彫りにしている本書に出会えたことを素直に嬉しく思う。
読後、江藤新平を葬り去った大久保利通憎し、と思う気持ちが嵩じたが、大久保サイドからみたら、どんな風なのか、江藤新平のマイナス面はどうだったのか、そのあたりの真実をもっと知りたいと思った。佐賀の乱はとてもわかりにくい歴史の一コマであるが、そのわかりにくさがある意味「作られた」わかりにくさだということが腑に落ちた。
幕末史のヒーローは坂本龍馬のみにあらず、不運の死は西郷のみにあらず。少なくともこれからは、出身地佐賀、そして我が母校をいっそう誇りに感じて過ごしていけることが嬉しい。佐賀県人必読の書。
SAGA!さがー♪藩 ★★★★★
幕末の頃から地味だった佐賀藩、この時期によく耳にするのはやはり土佐藩、薩摩藩だが、江戸時代を学ぶ時に誰もが耳にする出島、長崎、鎖国時にも唯一外国、オランダのみだが海外と貿易していた場所が近いのになぜにここまで日の目を見なかったのか?その地味ながらも倒幕に大きな影響をもたらした佐賀藩の働きにスポットを当てた一冊、日本の教育が偏り、幕末ひとつにとっても教えることが少なすぎカットされたらそれ以外は無かったことにされる悲しい歴史、学ぶ意力があれば資料はあるが受験の為の勉強意外は無駄との教育はこういう佐賀藩の働きを隠してしまう悲哀をつくる。幸いクイズブームでテレビは歴史を掘り下げた番組も多い、外国に行くまえに自国の歴史をこういう本で掘り下げ理解する楽しみを持って生きたいものです。