想像していたのより描写は残酷ではなく
★★★★★
少女の過去に関しては、ひどいことが在った。
という程度でそんなに書き込まれているわけではないので、
ひどく残酷な描写があるとかそういうわけでもないと個人的には思う。
事実暴行を受けている場面(本来PTSDなどの原因になる部分)はカットされている。
というか、最初にあったひどい事件に関しては彼女たちはきれいに記憶をなくしている。
もちろん家族の記憶もなかったりするわけだ。
(リコだけがちょっと違うようだが。。。)
こういう事情で四肢が不自由になった。と淡々と。
まあそうすることでサイボーグよろしく果敢に動き回り、冷徹にテロリストたちをなぎ倒す少女たちの動きが軽やかになるわけだろう。(原作を読み出す前にwikiをざっと読んだのだが、想像していたより)それぞれの過去のエピソードは書き込まれていない印象がある。
まあ少女たちの記憶を消しているという意味でも執拗に書き込む必要がないのだろうけども。
ピノッキオという少年が登場するのだが(ピノッキオ偏とよばれている)。この少年はサイボーグ化した少女たちと境遇が非常に似ている。そして感情に乏しいところも同様だ。
また、ちょっと風変わりな爆弾テロ専門のパダーニャの二人が登場する。もうこのあたり複線針まくりで読み返しまくりでもあります。
自分の信じた正義
★★★☆☆
メディアワークス刊・月刊コミック電撃大王連載
相田裕の「GUNSLINGER GIRL」第12〜17話を収録したコミックス3巻です。
ヨーロッパの社会福祉公社という建前を持った政府の超法規的諜報機関を舞台に、
五共和国派(パダーニャ)との政治抗争と、異常な身体能力の「義体」として
生まれ変わった少女達の葛藤と堕ちゆく様をクールに描いたドラマ要素の濃さが魅力の本作。
第12話「Kaleidoscope」★★☆☆☆
彼女達への贈り物選定を主題に構えたゆるやかなひと時を描いています。
ヘンリエッタへの気持ちをややウィットに富んだ描写でまとめたセンスの冴え具合が
いい感じです。明るめの雰囲気に仕上がっているのでやや退屈なのは仕方ないかもしれません。
第13〜15話「ピノッキオ(1)〜(3)」★★★★☆
無垢なるナイフ使いの暗殺者・少年ピノッキオ登場です。
今までその他大勢でしかなかった五共和国派のキャラクター達が色濃く描写されています。
ただの仕事として寡黙に淡々と殺人もこなす道徳感の欠落ぶりと彼らの主義主張が、
仮初めの友人である少女の立場と照らし合わされており、ただのテロ屋ではない様を
如実に捉えています。初めて義体の敗北も描かれており、彼の巧みな戦闘能力に要注目です。
第16話「Sever chains of retaliation」★★★☆☆
死体の始末屋ブルーノを中心に闇の世界の表と裏の人物描写が冴え渡ります。
憶測も飛び交う淡々とした、それでいて細かな会話がメインですが、
武器依存症になってしまったアンジェリカの動揺と「お仕事」を譲り合う少女二人の
笑顔と銃撃の嵐とのギャップは劇中同様、まさに「ふざけた世の中だぜ」。
第17話「Retiring Tibetan Terrier」★★★☆☆
テロ稼業としての自分、アンティーク修理職人としての自分に揺れる男・リノを描いています。
社会福祉公社の上層部が初お目見えし、双方向の正義が錯綜するドラマ要素が濃密です。
第12話に続いてヘンリエッタの万華鏡のその後を巧く物語の隠し味に含ませている構成力にも
感心させられます。
初めての敗北
★★★★★
レビュータイトルの意味は、この本の前半を読んでもらえればわかると思います。さわりだけ言うと、義体の中の誰かが何者かに負けます。誰が誰に負けたのか自分の目で確かめてください(*^^*)
いつか王子様が
★★★☆☆
トリエラ。ヒルシャーとのじれったい関係がたまらない。彼女の条件付けはかなり緩いか、あるいは何か耐性があるのだろう。義体の中でトリエラは間違いなく異質。しかし洗脳に頼らず異常な状況を負けん気で切り抜けている彼女だけに、ピノキオみたいな人を馬鹿にした名前の少年に殴られたのは大ショック。思わず素直になってしまうからもう可愛くて。
久々に集めてます!!
★★★★★
最近中々面白い漫画に会えなかったんですが、この作品は買い揃える価値有り!
私的に絵が非常に好きで、ストーリーも切なくてイチオシです。
ただ、戦争屋さんや、中近東辺りに詳しい人には甘ったるい話かも(^^;