個人的には、「Isley Live!」が大好き!’72年、ニューヨークのビター・エンドで収録されたアイズレーのライヴ盤です。アルバム「3+3」で正式に6人編成となる前のもの。この頃からすでにセルフ・コンテインバンドとしての堂々たる演奏ぶりも聴く事ができる。当時の彼等らしくキャロル・キングやニール・ヤング等のカヴァー曲も多く、その中でやはり何と言っても「It's Your Thing」でのファンキーなノリは他を圧倒!
前作は全曲カバー、しかもディランやスティーヴン・スティルスやジェームス・テイラーなど、フォーク/シンガー・ソングライター系の曲ばかり。
一方、こちらは打って変わって、キャロル・キングの3曲とジャッキー・デシャノンの1曲を除けば、すべてオリジナル。しかも、1曲だけだが、クリス・ジャスパーが早くも、共作者として名を連ねている。
レコードでいえばB面は、その曲「Love Put me on The Corner」と、10分を超えるキングの「It's Too Late」の2曲だけという配置だが、どちらも、素晴らしくソフトでメロウなできばえだ。はっきり言って、「ザ・ヒート・イズ・オン」のB面に匹敵するレベルである。
前作"Givin' It Back"という全曲カバーで制作されたアルバムが好調だった事もあるのか、この"Brother, Brother, Brother"というアルバムも積極的に他のアーティストの曲をカバーしている。また、それと共に自分達の制作した楽曲も織り込み、The Isley Brothersの今後発売される名盤で見られる、数々のスタイルを確立したアルバムとも言える。
前作"Givin' It Back"はどちらかと言うとロックジャンルのカバーが多かったが、このアルバムはファンキーな曲が多く、前作のようなアルバム全体に伸し掛かる陰鬱な空気は消え、ポジティヴでポップな雰囲気が醸し出されている。
カバーに関して言うと、Carole Kingの楽曲がメインで、ソウルミュージック愛好家であった彼女のポップ性に溢れ、メッセージ色の強い楽曲が魅力的。この辺は前作や、次回作で見られるJames Taylorのカバーに通じる所がある。
オリジナルの楽曲では、このアルバムからのファーストシングル"Lay Away"や、90年代のクラヴシーンで脚光を浴びた大人気曲"Work To Do"など、彼らを代表する優れた名曲が入っている。
非常に完成度が高く、ポップで聴きやすい良いアルバムだと思う。僕は中でも10分にも及ぶ壮大な"It's Too Late"にただただ圧倒された。
過渡期アルバムだけど★★★★★
1972年のアルバム。次のアルバムからリズム隊の3人が正式に 参加し、うねるようなベース、ジミヘンばりのギターが炸裂する 70年代アイズレーといえばという音になっていくのだが、この アルバムでも実質的に音作りには参加しており、これからの アイズレーとこれまでのアイズレーの両方が同居しているいい アルバム。題名曲のBrother×3や、超有名曲work to doなど