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ジパング(19) (モーニングKC (1440))

価格: ¥540
カテゴリ: コミック
ブランド: 講談社
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歴史を変えることの重み ★★★★★
 半村良の『戦国自衛隊』など、現代の軍隊が過去にタイムスリップし、その圧倒的なテクノロジーの優越性によって活躍するという話は多い。

 また高木彬光『連合艦隊ついに勝つ』など、太平洋戦争を素材とした架空戦記(もし日本軍があの時、このように動いていたら、戦局はどうなったか?)も枚挙に暇がない。



 ただ、これらの作品の多くが「歴史変革の可能性」という好奇心に基づく軍事シミュレーション、有り体に言えば知的ゲームとしての性格を持つのに対し、『ジパング』では未来を知る(知った)者たち個々人の苦悩と煩悶、そして覚悟が物語の核心となっている点が画期的である。神ならぬ人間が、偶然手にした超越的立場に基づき、歴史を弄くり、多くの人々の運命を変えてしまうことは、果たして許されるのか。『沈黙の艦隊』もそうだが、かわぐちかいじは軍事テクノロジーを素材としつつも、常に人間を描いている。


 イージス艦「みらい」で得た未来のテクノロジーと知識を利用して、太平洋戦争を日本側に有利に導く草加拓海少佐の行動は、タイムスリップもの・架空戦記ものの常道であるが、草加を救った角松洋介二等海佐は草加の「後出しジャンケン」に怒り、日米両軍の人命救助という形で歴史に関与しつつも、草加による大胆な歴史改変の動きを阻もうとする。菊地雅行三佐が草加に同調し「みらい」クーデターを起こすことで、いよいよ物語は急展開する。本巻では原爆製造をめぐる駆け引きが繰り広げられる。


 草加・角松・菊地・石原完爾・米内光政らがそれぞれの信念に基づいて動き、彼らの思惑が複雑に絡み合う。既存のif歴史ものにありがちな「日本側が一致団結して連合国軍に当たり、連戦連勝する」という単純なストーリーに陥ることなく、実にスリリングだ。
ボンベイの空に日の丸輝く零戦の姿が ★★★★☆
角田機動部隊はボンベイの奇襲に成功、イギリス本土にインド独立機運の勃興という多大な脅威を与えることができた。角松以下4名の下艦組は「伊152号」潜水艦に乗ってパラオへ向かう。梅津元艦長と如月海軍特務中尉は南京で倉田万作の動きを捉え、原爆製造阻止に乗り出す。
シースパローの残弾数と補給は? ★★★☆☆
小さい頃から、クルマ、船、飛行機などの機械が好きでした。
昔、船や飛行機などを分解して中身が見れるようになっている
図鑑があって、何回も繰り返して読んだが記憶があります。そ
のせいか、今でも船や車や飛行機の構造について興味があります。

また、歴史もの特に幕末と太平洋戦争時代が好きなのでこの本を、
1巻から全部読んでいます。この巻で不思議に思ったのが、シース
パローを惜しまず発射していますが、この時代では補給はできない
のではないかと思います。通常の弾薬であれば、何とかなるかもし
れませんが、これは無理だろうと思います。これからの展開が心配
でもあり、楽しみです。

草加派なんで(苦笑) ★★★★☆
 クーデターを起こした後、毎回、菊池三佐には共感させられる。
それに比べて、正論だけ振り回す角松元艦長が鬱陶しくなってきた。
 確かに角松の言っている事は正しい。でも、それだけだ。
 倫理上、正しいだけで世界は動かせない。例え、正しくなくてもやらなくてはいけない事は幾らでもあると思う。

 仮に自分の親兄弟や恋人を助ける事が出来る状態で「歴史が変わるから」と言って助けるのを諦められる人間は居るだろうか?
 最悪の戦争だったからこそ、「変えたい」と思う草加少佐や菊池三佐の気持ちを傲慢だと言えるのだろうか?
 過ちを正したいと言うのは誰にでもある事だ。
いろんな意味でより深く濃密な対決を余儀なくされる本巻の見所は人間同士の思想戦。
 誰一人、どの国も利害無くしては動けないのだから。

映画を見ている様な臨場感。 ★★★★★
前巻で実行された、インド在留の英国軍を叩き、史実上のアメリカ軍
参戦を早期化させる草加拓海の野望は、確実に進捗します。
同時に、石原莞爾の手によって秘密裏に行われる核爆弾の開発は、
阻止のために動く梅津艦長の思いと相まって、実にスリリングな展開
となり、次巻への期待が高まりました。
また、「みらい」を降りた角松は、終戦工作の行動を開始。
敵国だけでなく、大日本帝国軍にも秘密裏に行動せねばならない逆境
に身を置く姿に熱い思いを感じました。

映画を見ている様な感動と臨場感は、この作品の最大の魅力ですが、
確実に本巻は、その特徴がよく出ている傑作です。
前巻まで購入して、本巻の購入を躊躇されている方には、
是非とも購入をオススメします。