忘れられない一冊
★★★★★
4巻目では、懐かしい、大好きなプラムフィールドの子どもたちがそれぞれに成長した姿で登場します。私はナンもナットもデイジーも、ロブもテディも、デミも・・皆とても好きなのですが、この作品で一番心に残っている人物は、何と言ってもダンです。
ジョーと一緒になって、母親のような気持ちで、この不幸な青年の身を案じ、また彼が抱く報われぬ思いに涙しました。
どの子どもたちも、またジョーも、皆それぞれの個性や趣味を持ち、それら百花繚乱の性格が花畑のようにそのまま生き生きと描かれていて、オルコットの人物描写の手腕とその度量の大きさに打たれます。彼らの姿を見ていると、自分は自分らしく生きていけばいいのだ、またそうしていくしかないのだ、と思えてきます。
人間とは、人生とは、このようなものなのだ、と、決して説教臭くなく、楽しみ、また悲しみながら自然に学ぶことができる、本当に素晴らしい作品です。