成毛滋、角田ヒロ、高中正義、今考えると相当なメンバーだったのに当時は全く売れなかったというのが日本ロック界の限界だったのだろう。全く以って素晴らしいバンドであった。1972年初頭１枚の傑作スタジオ盤の次はもうこの解散ライブの実況とスタジオ録音のカップリングであることは誠に残念。様々なブリティッシュ系のティストを入れ込んでごった煮にしたようなバンドだっただが、それらBeatles,Uria Heep,EL&P,Led Zeppelinへのリスペクトが感じられるのが良い。作りこみも当時としては精一杯だったと思わせるくらいの丁寧さだ。

　成毛滋のギターは今聴いても最高のテクと表現力を持っているだろう。彼を追い抜くギタリストは未だ出ていないのでは？と思ってしまうのは言いすぎだろうか。早弾き、ネオクラシカル、タッピングと色々なテクニックが披露される昨今だが、ペンタトニック系スケールでこれだけ弾ける奴はいないね。恐れ多いがチャーや布袋もここまで感動させない。オルガンプレイも素晴らしい。故人となってしまったとは言え、我々一般リスナーは金儲けが主眼だった当時の音楽業界、マスコミの偏った評論に翻弄されて一番大事なものを潰してしまったのではないだろうか？

　しかし３人とも上手いなぁ。

ツェッペリン、デイープパープル、キングクリムゾン等の様々なエッセンスを融合し、結果的にはモトネタに忠実なようではあるが、随所に彼ららしさが幅広く感じられる音楽性を感じるグループ。70〜80年代には、フライドエッグを初め、サンハウス、ルースターズ、フラワートラベリンバンド、スターリン、ARB等の「本物のロックンロール」と呼べるグループが沢山いたと思う。今の音楽シーンは影響元が素晴らしいグループが沢山いるのに要素を奥に隠してしまい、結果的には没個性なグループばかりがシーンを賑わしてしまっている。結果的にはこの辺りの時代からロックンロールと呼ばれるものは全く前進していない事に気付く。もはや現代には革新や前衛といったテーマは過去の産物なのだろうか?

フライド・エッグの解散コンサートがＡ面、スタジオ録音がＢ面となっている。成毛しげると角田ヒロのストロベリー・パスに高中正義がベースで加入してフライド・エッグとなる。この時期の角田ヒロの活躍は半端でありませんね。欧米のパワフルなドラミングができる人間は日本ではジャズ畑出身者ということで、重宝されたのでしょう。この時期の名盤といわれているアルバムや名グループに彼の名を見ることは多いのです。
作品ですが、Ａ面のライブが白眉です。成毛のハードロックなギターと角田のパワフルドラミングとボーカルが緊張感のあるロックを奏でています。ほんとうにロックミュージックとは何か、本物のロックミュージックとは何かが理解できます。
真夏の暑い時期に汗をかきながら、本作のような濃い音楽に浸るのも一興です。

日本のロックバンド、フライド・エッグのライブ作。1972作
成毛しげる、角田ヒロ、高中正義のトリオによるトリオで、A面となる前半には
本格的なブリテイッシュロックスタイルを打ち出したこのバンドの解散ライブを収録。
前身であるストロベリー・パスからの曲も含めて、勢い溢れる演奏を聴かせる。
生々しいグルーブ感を感じさせる演奏は、とくにドラムの存在感が際立っていて、
即興的なプレイも含めてロックとしての熱さと躍動感を感じさせる。
後半にはスタジオでの録音を収録。今は亡き成毛のブリティッシュナイズされた
ハモンドオルガンを含め、プログレ的な聴きどころも多い。

1972年にこんなにカッコいいアルバムが出ていたとは!!このアルバム聴くまでは日本最高のロックバンドはジョニー・ルイス&チャーかラウドネスかと思ってましたが、いやいやなんのなんのムチャクチャカッコイイですよ!1曲目はストロベリーパスにも収録してますがこちらのLIVEの方がカッコイイぞ!!