高校の最終学年を迎えた新二。入部当時はまったくの素人だったが、今では県有数のベストタイムを持つまでに成長した。才能とセンスに頼り切っていた連も、地道な持久力トレーニングを積むことで、長丁場の大会を闘い抜く体力を手にしている。
100m県2位の連、4位の新二。そこに有望な新入生が加わり、部の歴史上最高級の4継(400mリレー)チームができあがった。目指すは、南関東大会の先にある、総体。もちろん、立ちふさがるライバルたちも同じく成長している。県の100m王者・仙波、3位の高梨。彼ら2人が所属するライバル校の4継チームは、まさに県下最強だ。
部内における人間関係のもつれ。大切な家族との、気持ちのすれ違い。そうした数々の困難を乗り越え、助け合い、支え合い、ライバルたちと競い合いながら、新二たちは総体予選を勝ち抜いていく――。
前2巻の集大成である本書には、大会における競技シーンが多い。そこで読み手の感情を揺り動かすのは、それまでこつこつと積み重ねてきた人物描写だ。1、2巻を読み終える頃、物語の登場人物たちは、もはや他人ではなくなっている。新二の声を枯らした応援につられ、握りこぶしを作って声援を送る読者も多いはずだ。
その興奮、緊張感は、南関東大会でクライマックスを迎える。若きスプリンターたちが大舞台のスタートラインに立ち、ぞくぞくするようなスピード対決が、いま、スタートする。(小尾慶一)
昔を思い出しました。
★★★★★
懐かしい「部活」という響き。それを強く思い出しました。
20数年前、私も陸上をやっていました。専門は長距離だったので小説にでてくるような練習をしていたわけではありませんが、今は使わない用語がたくさんでてきて、懐かしさを覚えます。(陸上を知らない人はノリで読んでほしいですね)
メインの種目がスプリントだけに勝負の描写は短いのですが、そのためだけに長い期間の練習(読者的にはエピソード)が挿入されていて、もう一度高校生を体験した感じでした。先輩が抜け後輩が入り、見えない何かが引き継がれていく。それは実社会でも同じだなぁ、と感じました。
中高生の本棚に欠かせない1冊
★★★★★
中学1年生に薦められる本を探している中で購入しました。第一部から第三部まで併せて、今や教室の本棚で人気の1冊になっています。今まであまり詳しくなかった陸上競技にも詳しくなりました。いろんなトラブルや困難に直面する思春期ですが、主人公たちのようにポジティブに乗り越えて成長できる子供たちになってもらいたいです。思春期の子供たちに読んでもらいたい1冊です。
ほらほら!
★★★★★
だんだん本にのめり込んで終わりたくなくなったでしょ!やっぱり良書、良い話ですよね!!
読後感、最高!
★★★★★
この本は、中学生、高校生が身近な等身大として感じながら楽しんで読める作品であると同時に
20代以降の大人も青春時代を思い出しながら熱い気持ちになって読めるとてもよい作品であると思った。
また、陸上の専門的な内容がとてもリアルに描かれている。しかし、リアルであるはずなのに陸上の素人にもさらっと読めてしまう不思議な本。そこが年齢、性別を関係なく読まれているのだろうと思う。
自然な友情・努力・根性
★★★★★
友情・努力・根性が自然のこととして描かれ、ことさら強調されていないのが良かった。
また、最初はあまり目立たなかったが、後半に以外にも前面に出てきたヒロイン(?)谷口が良かった。
普段はおとなしいのに、ここぞというとき行動力
少し天然ボケでピントがずれているが、たまにぴったりはまったり
といった感じでキャラ立ちしていた
オールタイムベスト級の傑作だ。
おもしろかった。