長年ケニアで自生種の苗木を植え育ててきた
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日本では、太陽光発電、低公害自動車等に注目がいきがちですが、著者は自生種の木を植え育ててきた功績がたたえられノーベル平和賞を受賞されました。
グリーンベルト運動の活動内容や、植樹運動をする時のアドバイスが経験から書かれていて、参考になります。
学校や市町村等で、自生種の植樹運動をする時には、読んでみることをお勧めします。
訳者の翻訳が良く、自然な日本語で訳されているので読みやすかったです。
グリーンベルト運動の誕生と道のり
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2004年にノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイさんがお書きになった本です。訳者が「生物と無生物の間」の福岡伸一ハカセです。主には、彼女が行ったグリーンベルト運動に関することについて書かれたものです。グリーンベルト運動とは、植樹運動なのですが、ケニアでは、土壌の侵食や森林伐採などで農民達は食糧さえもままならない貧困に瀕している状態でした。マータイさんは、木を植えることが、砂漠化の侵攻を食い止め、エネルギー源となる薪を得るために必要であること、苗木を育てることで収入を得られることなどを女性達に広げてゆき、大きく発展してゆきました。当然、こういった動きが大規模化するほどに政府の干渉は強くなっていったようです。グリーンベルト運動は、植樹だけにとどまらず、民主化を求める動きや女性の人権や地位向上を求める活動になってゆきました。その影響はアフリカ中に広がりを見せ、全世界に影響を与えています。一人の女性が植えた一本の苗木がすべての出発点でした。森林や自然環境を大切にする、愛する気持ちは人は必ず持っているものなのではないでしょうか。グリーンベルト運動が多くの人のその琴線に触れた活動であったのだと思います。身近なところから、グリーンベルトを広げてゆきたいと思います。もったいない、という言葉をご存知になったのかと思っていましたら、来日した時に知ったということでした。
今こそ『モッタイナイ』精神を
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2004年にノーベル平和賞を受賞したケニア共和国環境副大臣、ワンガリ・マータイさんの『モッタイナイ』を訴える本です。
すでに世界共通語として使われている『モッタイナイ』ですがその本質を知っている日本人がどれくらいいるでしょうか。言葉の意味はわかっていても平和で物があふれかえっている日本ではなんだか忘れ去られた言葉のように思えます。
その忘れられた日本語を見つけたのが他ならぬワンガリ・マータイさんです。
日本人が忘れていた『モッタイナイ精神』をよみがえらせてくれたのです。
『グリーンベルト運動(GBM)』、貧困、政治腐敗など私たちが身近に感じられないことも多いけれどもこれを読めばあなたもきっと世界が近くに見えてくるはずです。
継続は力なり
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著者のワンガリ・マータイ氏が2004年にノベール平和賞受賞したケニア人女性であるということは知っていましたが、
本書を読むまで彼女が一体何をし、ノーベル賞を受賞したのかを知りませんでした。
本書には彼女が行った植林活動・GBM(グリーンベルト運動)の創立時から現在までの30年間の活動が記載されています。
成功させることが難しかった植林活動を成功に導くことができたのはGBMが植林活動だけを目的にしたではなく、
まずは貧しい農民の生活向上を目的とした点、また女性の地位向上を目指した点にあります。
このことから彼女が上げた功績は植林活動だけにとどまりません。彼女がノーベル平和賞を受賞するのにふさわしい、いえ、それ以上の人物であるということが本書を読めば理解できると思います。
ただ、私は学校の課題のために選んだのですが・・・翻訳であるからなのか若干読みにくい気がします。なので☆四つ。
でも読んでよかったと思える本です!!