FUJI ROCK FESTIVAL'04の2日目、グリーン・ステージで実現した、“オリジナル・ルースターズによる、22年ぶりの(ラスト)ライブ”。「THE ROOSTERS RE・BIRTH II」は、このライブに至る過程――すべてのリハーサル、新宿ロフトでのシークレット・ライブ、メンバーへのインタビューなど――を記録した、3時間半に及ぶドキュメンタリーだ。監督は石井聰吾。余計な演出をはさまず、徹底的にクールな視点を貫ぬくことによって彼は、この“事件”をとんでもない緊張感と研ぎ澄まされた正確さによって描き出すことに成功している。
本作の核になってるのは、そう、大江慎也という存在だ。リハーサルを重ねるごとにカンを取り戻し、ボーカルとギターに独特の切れ味を加えていく大江。彼が持つロック・シンガーとしての類い希なる個性は、やはり強烈だ。当然、フジロックにおけるライブも完全収録。ぎらついた目を宙に彷徨わせながら、重く、鋭く、美しいロックンロール/ブルースを生み出していく彼らのパフォーマンスは、まさに伝説。全ロックファン、必見!(森 朋之)
そうかなあ
★★★☆☆
私は見ていて辛かった。演奏は文句ないが、やはり、このDVDでの大江の声は無惨の一語に尽きる。大江のボーカルは、全盛期でもうまいとは言い難いものだったが、やはりルースターズの魅力の相当の部分を担っていたのだと再認識させられた。
なんだか、ひねくれているようで申し訳ないのだが、ルースターズを知らない人に、薦められるかと言うと、やっぱり無理なんじゃないかと思う。
何年か前に行われたルースターズのトリビュートで見せた、大江を除く三人のオリジナルメンバープラス下山淳のライブ(大江の曲を演奏)が文句なしの素晴らしい出来だっただけに、結成時の四人のメンバーが揃ったと言うだけで喜ぶ気にはなれなかった。
ルースターズの道程
★★★★★
リアルタイムでのルースターズを知らない小生でも、とてつもない何かを感じられる、フジロックグリーンステージ(本当に格好良い)。結成から分解までのルースターズのヒストリー。ヤキトリルースターズ。ロフト前夜祭。インタヴューも交えながら纏まった映像。
確かにリアルタイムでのファンは涙なしに見られないだろう。
なによりも大江慎也が笑っている。涙が出た。それを見るだけでも買う価値はあるというのは言い過ぎだろうか。あの笑顔は…
ビック・レッド・ルースター
★★★★★
本音は商品では見たくなかった。本音では作品では見たかった。友人で俺以上のルースターズ馬鹿が見たら泣けたよ!って言うのでルースターズで?って思いつつ買って見ましたよ。友人はさて置き確かに鳴いてました。4人のルースターが。さぁ〜ネクスト・ルースターの鳴き声が俺には楽しみになりました。サンキュー雄鳥達!
大江慎也さんありがとう
★★★★★
何故、そこまでするのか。一枚目、つまりラストライブ直前までを追ったドキュメンタリー映像を見ている間、僕はずっとそう思っていた。大江は、変わった。長きに渡った闘病生活と、それを克服する為に挑んだ大手術。大江独特の鋭くヒズんだ「トッポい」歌声は、もはや別人かと思える程に弱々しく、抑揚の無いモノへと様変わりしてしまっている。リハーサル風景を見ても、苗場の客を満足させる事が出来るとは到底思えない。どう考えても、負け戦。しかし、メンバーは淡々と、そして着々とリハを繰り返す。皆一様に、疲れきったような、やつれたような表情をしてはいる。してはいるのだが、「不安」とか「迷い」のようなものは、一切感じられない。何故だ。負け戦なんじゃないのか?何故だ。「ルースターズ」の名前にキズをつけてしまう事になるんじゃないか?何故、そこまでするのか・・。その理由は、二枚目の「ラストライブ」を見るとよく分かります。星五つ。
生きつづけること
★★★★★
石井聰亙という監督がいかに優れたフィルムメイカーであるかを証明する作品である。息の詰まるような緊張感はまさに監督の初期の作品「シャッフル」を彷彿とさせる。前半のルースターズのヒストグラフィーからリハーサルの様子は本当に呼吸することも困難なものである。黙々とリハーサルで歌い続ける大江慎也は最初はリズムを体で掴むのも苦しい位であったがそれが次第に化学反応を起し、最後のフジロックフェスティバルのステージへ向かう。何よりも苗場のステージの最後に大江が微笑むショットにすべてが集約されている。生きつづけることの意味を私は感じた。