上巻を読み終えて
★★★★★
何と言ったらしっくりくるのか表現が難しい。
困惑、混沌の渦の中に居るような、落ち着かない気持ち。
本作を読んだのに読んでいないのと同じような、、、
引き込まれていくのに、引き離されていくような。
途中、先が気になるのに1日2ページ読むと頭がショートして、
自分がひどく馬鹿になったような感覚に陥る。
終わりごろからまたいいペースで読めたけれど、
わけがわからないまま下巻にすごく期待してる自分がいる。
上下読み終えて、その後もう一度読みなおせば、
今とはまた違う感想になるのかもしれないとも
自分の読解力のなさを撤回できるのではと期待していたり。
この作者に関しては、先に短編から入って良かったと思った。
(2010.7.18読)
普通にすばらしい作品
★★★★★
推理小説3大奇作の一つと言われてたり
裏表紙に
「本書を読破した者は必ず一度は精神に異常を来たす」
と書かれたりしたんで
ある程度構えた気分で読んでみたんですけど
読み終わってみたら
普通に面白い作品でした。
上巻後半が少々重くてきついんですけど
それをしっかりと伏線にしつつ
ほどよくどんでん返しが続く後半の物語の盛り上がりは
読んでて極めて楽しかったです。
ひとつ、この本でもったいないと思うのは
表紙の絵がこの本を読む弊害になっちゃってる気がする所。
実際
以前興味を持って本屋でこの本を手に取って見た時
この絵を見て、あぁ無理だ、と思って
読むのやめたっていうことがありました。
ぶっちゃけ言って
表紙の絵は内容とは特に関係ありません。
この絵で引くことなく
読んでもらいたいと思う傑作です。
幻魔作用
★★★★★
中盤まで読んでいて正直なところ苦痛だった。
意地だけでなんとか最後まで読み通したわけだが、なるほど・・・
途中の冗長すぎる文章さえ、読み終わってからはある種の伏線だったことに気づく。
「推理小説」という形式に近いが、もちろんそれだけではない。
三大奇書の一つと謳われるのも納得である。
すごい小説
★★★★★
最後まで読んだんだけど、分かったような、分からないような・・・。
とくに終盤の展開は引き込まれるんだけど、余計混乱する。
考えれば考えるほど分からなくなる。
でも、ものすごい小説を読んだという充実感はある。
初読の人はみんな自分のような感想・感覚になるのではないでしょうか?
これは★5つにせざるを得ない。
謙虚な本
★★★★★
精神に異常をきたすとか、寄書だとかおどろおどろしい売り文句で尻込みしてしまう人もいるかもしれませんが
肩肘張らずに読んでみて欲しいです。
クセの強い文章に慣れてしまえば謎を追ううちにズイズイ読めてしまえますし
罪や責任を固定化する事が新たな罪を作るという謙虚な結論(私はそう感じました)は万人の認めることだと思います。
達観した優しさを感じる本なのです。
(言い換えれば罪の清算は不可能だという絶望でもあるわけですが。)
・・・てことは
★何個とか価値を固定する事も罪なのかもしれませんが、それじゃあレビューの甲斐がなくなっちゃうしなぁ。