女性の虚栄と欺瞞の
★★★★★
Jブンガクを見て,始めて読みました。
女性の虚栄と欺瞞をよく直球で書いたものだと思う。
いつの時代にも,ブンガクは人の本性を表すものかもしれない。
夢幻を操る作家
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15歳から周囲をだまして借金をし続けた女性が逮捕されたという記事をみてこの作品を思い出しました。
ドグラ・マグラで読者を困惑の奈落に突き落とした夢野久作の短編集です。
表題の少女地獄を始め、童貞、女鉱主など複数の短編がおさめられれていますが、いずれも夢野氏の
夢幻を華やかに彩る手腕が十分に発揮されています。
少女地獄では、嘘をつき、それを隠すためにさらに嘘を積み重ねやがて破綻してしまう看護婦の話、
妻を次々と完全犯罪で消していく車掌とそれに気付きながらもひかれてしまう女車掌の話などが綴られていますが、
いずれも得意の書簡体形式を用いることで、読者が直接話しかけられているような臨場感を生む事に成功し、
登場人物たちの異様さとあいまって、背筋が寒くなるような感覚を味わわせてくれます。
男女の断絶、心の闇、性的倒錯、生きるために必要な虚栄心といった、古くて新しいテーマを、「ステキ」とか「メチャメチャ」
というような軽妙な単語を織り交ぜながら読ませる力量は圧巻です。昭和初期の作品ですが、古さを感じさせず、
短編ですので、何かの合間に読める点もお勧めです。
騙されても、騙されても、ね
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バブル時代、大阪・北新地の飲み屋街に「センミツ」といわれるホステス嬢がいた。彼女の話す1000のうち、本当のことは3つだけで、後はすべて嘘ということである。いつの時代も虚言癖のある女性はいるもので、「少女地獄」の3篇のうち、最初の「何でも無い」はこのうそつき女の小憎らしい「小悪魔」ぶりを存分に魅力たっぷりに描ききっている。騙されるほうは、この臼杵先生の細君である松子が早くも「おかしい!」と気付くように、騙されることに慣れてくる。男はむしろ騙されることに「快感!」を感じてくる。「センミツ」嬢もそうだった(彼女、どうしているんだろう。) そのユリ子が、嘘がバレバレになって、最期に自殺を決行したのが、12月3日ということらしいが、これすら本当かどうかということになっているのだが・・・・・。
「殺人リレー」も面白いが、「火星の女」の復讐劇が面白い。続いて「童貞」「けむりを吐かぬ煙突」「女坑主」と短編が納められているが、今の日本を先取りした感のある「強い女と弱い男」を描いている。
NHK教育TVの「Jブンガク」に取り上げられたということで、初めて読んでみたが、ロバート・キャンベル先生には、感謝しなければならないな、面白い本を紹介して頂いて・・・・・。
あっコレ短編集だったの??
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私は全て繋がった話なのかと思いました!
なぜなら青空文庫からDLして自分で編集しプリントアウトしたからです。
タダって手間ですね。
紙媒体じゃないとやっぱり読む気がしないのです。
そーいうわけで、ユリ子の嘘が続いてると思い込んでた私は・・・
以降は「謎の女事件」に違いない!そして事件とその真相だろう!
最後の火星の女は別人格の別人みたいだー。
「はじめて嘘をついた」ってところが嘘っぽいし、しかし本当っぽい証拠もあるしー。
もしやユリ子は多重人格の1人格で本体は火星の女なのか?(逆?)
それともそう思わせたいだけなのか。
全く違うどこかのだれかの夢の一部か、もしくは何人かの夢の抜粋なのか?
また出てきた集合的無意識なのか?
とまあこんな具合に一人謎をつくってショボイ探偵やってました。
おもしろかった!
嘘とか見栄とか虚しさとか。
タイトルどおり
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女はフクザツ奇妙キテレツ不思議な生き物だという事を言っているようで
誰にでもある心と生活の闇の部分を描いているようでもある。
ウソを突き通して死んでしまった女の話「何んでも無い」
自ら焼死体となって仕返しをする「火星の女」
特に「殺人リレー」は、男に殺されるのが解ってても
この人になら殺されてもいいと思ってしまう、女の心理が巧妙に表現されててどきどきした。