インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

瓶詰の地獄 (角川文庫)

価格: ¥540
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川グループパブリッシング
Amazon.co.jpで確認
衝撃 ★★★★★
私が生まれる前には既にこの世を去っていた人の作品、
とは思えないほど、今読んでも新鮮な独特なものを感じます。
もちろんその頃の時代にあったのであろう空気も
滲んでいるように疑似体験できたり、文章から滲むリアルさと
奇妙な雰囲気に、気圧されました。
ブラックユーモアな作品だと、くくりきれない、暗い圧迫感、
湿気の多い真夏の気だるさのような纏わりつく感覚、
どれをとっても寝覚めの悪いそら恐ろしい気持ちにさせられました。
でも面白い・・・面白いっていうのも語弊がありそうですが、
一筋縄ではない世界に虜です。

こんな徹底した世界が作れるなんて本当に凄いと感動しました。
どの作品も、というより一文一文に魂が込められているような
念のようなものを感じて、恐ろしいような崇拝したいような
不可思議な感覚にもなりました。

この人にしか書けない世界だと、気持ちよく読みきりました。
内容は決して気持ち良いとかの部類ではないけれど。

収録作品
■瓶詰の地獄
■人の顔
■死後の恋
■支那米の袋
■鉄鎚
■一足お先に
■冗談に殺す




(2010.5.15読)
脳髄を毒液に浸して瓶詰標本 ★★★★☆
中学生の頃「ドグラ マグラ」を偶然手にし、そのあまりの異様さに嫌悪感をおぼえたことがある
本に毒でも付いているような気がして触りたくなくなった

大人になって夢野久作を再読
この「瓶詰地獄」を読んでわかったことだが、内容のブキミさよりも文体がまず異様
行間から夢野久作の悪意と殺気が漂ってくる
中学生だった私が何故にあれ程嫌悪したのか、30後半にしてやっと理解した次第

犯行現場をイヒヒとデバガメするような猟奇と狂気の七篇
幻想性と狂気の世界を描いた傑作短編集 ★★★★★
「瓶詰の恐怖」は読者の想像力に訴え、残酷さと哀感を喚起させる傑作。作者の代表作と言っても良いと思う。

作品の構成はシンプルで、1通の通知書と3通の手紙から成る書簡体小説である。通知書の内容は、ある島の海岸で3本のビール瓶を回収したので送付するとの事。問題はビール瓶の中の3通の手紙である。読者に示される最初の手紙は、無人島に流れ着いた兄妹の絶望の遺書である。兄妹は既に幻想を見ている。そして、示される手紙の順番が巧み。読者に示される手紙を順番に読むと、兄妹が味わう煉獄の苦しみ、悪魔の誘いが読者にヒシヒシと伝わって来る。最後に示される、カタカナ2行のあどけない手紙が哀れを誘う。兄妹の所有物に聖書があった事からして、モチーフは"アダムとイブ"なのであろう。それが、無垢→煉獄の苦しみ→禁断の所業という兄妹の運命に見事に反映されている。

他の作品も佳作揃い。特に、美少女を襲う恐怖を描かせたら天下一品だと思う。作者の幻想性と狂気の世界を味合うには持って来いの短編集だと思う。
夢野入門にぴったりの一冊 ★★★★★
夢野久作に初めて触れるにはちょうどいい傑作・佳作がそろっています。
いきなり「ドグラ・マグラ」に手を出したりせず、この本から入門しましょう。
米倉斉加年の表紙イラストもすばらしい。
最高傑作! ★★★★★
夢野久作の独特な魅力がたっぷりと詰まった表題作「瓶詰の地獄」

ドグラ・マグラが有名な作者だが、私はこの瓶詰の地獄を最高傑作に推したい。短い文章の中に凝縮された狂気。自分の概念をも覆してしまうような迫力。夢野の狂気の世界にすっかり魅せられてしまう。
それ以外にも、傑作「死後の恋」などが収録されているなど、夢野久作入門としてもうってつけの一冊になっている。

個人的には夢野久作の美少女の描写はとても美しいと思うんですけど、皆さんどうでしょうか?