オックステールからカレーなど、凝った美味そうな料理を手際よく作る北方謙三のハードボイルド作品でお馴染みの主役公の暮らし振りだ。
謎めいた隣の爺さん三科との枯れた友情。古木が送り付けられてくる。そして、古木の送り主・村野玲子が現れ、かつて天才と称された能面師であった主人公の過去が明らかになってくる。
珍しく人は死なない、物を生み出す物語である。
読み終えたとき大きな満足感があった。北方謙三ハードボイルド作品の一つの頂点だと思う。
多くの人にお勧めしたい。