とにかく・・
★★★★☆
暗いよ・・。その暗さ故に著者が伝えたいものが薄れている様な気がする・・。
終末医療のありかた
★★★★★
終末医療の問題点をモチーフにした作品。
これまで読んだ著者の作品の中では、1、2を争うおもしろさでした。
ドラマというより、映画化して欲しいと思う作品でした。
本書にある桜宮病院の患者は、末期的な症状ではあるが、
麻薬の力によって生命が終わるその瞬間まで活き活きと暮らしている。
ただ寝ているのはなく、働く喜びを噛み締めている。
一方、いわゆる普通の病院では、終末期になるといろいろなチューブを
身体に繋がれ、延命することに全力が注がれている。
どちらがよいかと問われれば、答えに窮してしまう問題である。
高齢化社会が進む現代では、きちんと考えないといけないと気づかせてくれました。
せめて選択できればよいなと思いました。
ところが、行政は財政再建の過程で終末医療にかかるリソースを切り捨てていると
本書は指摘しています。
本シリーズは、普段触れることが少ない医療現場の問題点を、物語を通して伝えてくれるので、
視野を広げるという意味でもおすすめしたいです。
良かったです
★★★★★
一連の作品を読んできました。
ここでの評価が高かったので、
読んでみましたが、良かったです。
終末医療を取り扱った内容ということで
期待値は低かったのですが、
十分面白かったですし、
死についても考えさせられました。
これまで読んできた著者の作品の
なかで私は一番好きでした。
一番好きかも
★★★★★
海堂尊氏の作品は「チーム・バチスタの栄光」にたまたま興味を持って読んでみたことがきっかけでしたが、それをきっかけに私はこのシリーズにすっかりハマってしまいました。彼の作品は後半にいくにつれてどんどん物語に引き込まれていく、不思議な魅力があると思います。
この「螺鈿迷宮」は、外伝ではありますが、個人的に一番シリーズの中で好きな作品です。
本編だけでなく、これも映像化してほしいな!と純粋に思う作品です。
特に、主人公の天馬大吉くんが、本編の田口先生に負けず劣らずステキなキャラクターで、すっかり気持ちを持っていかれてしまいました。作中の登場人物たちがなんだかんだ言って天馬くんに手を差し伸べてしまう気持ちが良く分かります。
また、天馬くんには、今の社会が抱えるいろいろな問題に対面して立ち止まってしまっている現代の若者の姿も映し出されている感じがして、そういった“現代っ子ぽさ”がほんとに良くできているなと思います。
これはほんとに個人的なイメージなのですが、もし映像化されるなら天馬くんは嵐の相葉くんとかがぴったりだなと思うんですが(ファンだから言っているという訳ではないですよ)。
なにはともあれ、一読の価値ある作品だと思います。
シリーズ全てにおいて言えることかもしれませんが、この作品も、医療、社会、人の倫理感など、取り扱っているテーマは決して易しいものではありません。しかし、一見出来そこないだけど純粋な心を持った1人の医学生の目を通してみることによって、普通の人が読んでもすんなりと物語に入っていける作品となっています。そこが、海堂尊氏のほんとにすごいところですね。
まさに火曜サスペンス劇場か横溝正史を彷彿とさせる人物・舞台設定!
★★★★☆
チームバチスタと同じ桜宮市の終末期医療病院での事件。主人公の医学生がひょんなことからボランティアとして入り込んだ病院は恐ろしいところだった。謎の美人姉妹医師、どんどん亡くなる患者。そして医学生にも生命の危機が・・・。
スティーブンキングのようなホラー感覚もある。一方で、現在日本での終末期医療の課題も指摘する。濃いキャラ設定、戦前からの病院の建物と秘密の部屋。舞台設定からラストシーンまですべて王道のサスペンスである。ただリアリティはかけてるかも。踊る・・・やアマルフィみたいに織田裕二がでてきそうなエンターテイメントとして楽しむのがよい。