この本では、禅密気功の基礎となる「築基功」が紹介されています。

呼吸の仕方や動きについて、こと細かな決まりごとがないので、気負わず取り組むことがで
きます。（押さえておくべきポイントはいくつかありますが）

私は以前、呼吸法によって偏差（気功の副作用。身体、精神の不調がおきる）の状態に
陥いってしまいました。
指導員から背骨にゆがみがあることが原因と指摘されたので、カイロプラクティッ
ク等で身体のケアを充分にし、なんとかバランスを取り戻しましたが、ちょっと不安なので
呼吸法や気功から遠ざかっていました。

”背骨ゆらゆら健康法”は、エネルギーの流れの要である背骨に重点を置いており、
まずは背骨のゆがみの是正を行うので、これなら安心して始められそうです。
「とにかく型に忠実に動かなくては！」と力まず、自然体で行えるのもよいですね。
気功を行う際に余計な力が入ってしまうことは、上達の妨げになってしまいますから。

意念（意識）の用い方についての記述があるのも、本書の特色の一つだと思います。
気の流れと心の作用（特にイメージ）には密接な結びがあるにも関わらず、それを無視して
型や呼吸の説明だけに終わっている気功の本が多く、残念に思っていましたが、
禅密気功では、しっかりその点を押さえています。素晴らしい！

動きの説明も、文字だけではなく、動作のポイントを押さえたイラストがあるので、
サッと見直して確認できます。

ちょっとした体ほぐし運動の感覚で、無理せず毎日続けられます。

禅密気功は、日頃「運動不足を何とかしなきゃ、仕事するには体力つけなきゃ、でもダイエットもしなくちゃ…」そう思いつつ何も始められなかった人（私のことですが…）にはとてもいい！
基本動作は「築基功」とよばれる４つだけ。気が流れるのをイメージしながら、ゆらゆらのびのびと背骨をゆすって、歪みや凝りを気持ちよくほぐしていきます。すぐに体がぽかぽかしてきて、動きが効いてきたことがわかります。背骨を意識して大きく揺らすことが、体全体をほぐし心を穏やかにしていくことが実感としてわかりますよ。感覚がはっきりとしてきて、体が「整ってくる」感じです。
説明文がとてもわかりやすく、イラストから動きもイメージしやすいので、健康のために簡単に始められる運動をお探しの人にも、また中国の長い歴史を経て受け継がれてきた深い思想・概念を理論的に知りたい人にもおすすめです。
上級功法になると病気の治癒力を高めたり、潜在能力を開発したりということもできるそうですが、まずは基本！一度禅密気功で背骨をゆらしてみては。