秋の季節感を持ったアルバムです。
『線香花火』が入っていますが、これは夏に歌っているというよりも、秋になってから夏を歌っているような歌ではないかなと思えます。
１曲目の『見つからないように』は、ＮＳＰらしい曲。ギターで始まるイントロ。ちょっと寂しげですが、メロディーラインは聴き心地よく、詞もＮＳＰらしい弱弱しさで気に入っています。強いばかりが男でもない。
２曲目の『あの娘をひとりじめ』は凝った曲です。特にアレンジが。
『シャツのほころび涙のかけら』は、イントロから平賀さんのベースがベースとなった曲です。よくこの詞をメロディーにのせたなあと思いました。つぶやくような、叫ぶような、そんな感じ。
『おもいで』はきれいな曲です。平賀さんの優しいボーカルが落ち着かせてくれます。少しエコーかかってるかな？
『ゆうやけ』は元気一杯歌っていますが、秋を思わせる曲です。暮れていく夕焼けのエネルギーを歌ったような曲です。

ＮＳＰの良さは、情景の押しつけをしないことに尽きると思う。
歌の中の「僕」はいつも自分だし、「君」は片思いだった女の子だったりふられてしまった女の子だったりする。
「ゆうやけ」はリスナーそれぞれが一番きれいなゆうやけを思い描き、「線香花火」をしている場所は海辺だったり学校の校庭だったり自由である。
アルバムごとにみてもそれは同じで、私はこのアルバムを買ってから過去のアルバムを揃えていったのだが、それは好きな女の子の家に行って昔の写真を見たときと同じような感覚だったのを覚えている。
もし1stからリアルタイムで買うことが出来ていたらこのアルバムはどんな印象を与えてくれたのだろうか、ちょっと気になる。

～～NSPの復活に涙している（私と同世代の）方は多いと思います．そしておそらくその全ての方が，今なお涙なしには聞けない懐かしの傑作アルバムがこれです．「赤い糸の伝説」「線香花火」「ゆうやけ」はもちろん，「おはじき」「昨日を今日までを」など隠れた名曲も多い，とても贅沢なアルバムです．「みつからないように」のイントロを聞くとそんな大人の世界～～にあこがれた若き日を思い出して胸が熱くなります．．．いつまでも良い歌は良い！～～