中学時代の愛聴盤を久しぶりにCDで聴きました．デビューアルバムでありながら，天野氏の曲作りの多様性がよくわかる名盤．優しい曲と攻撃的な曲が上手く混ぜられています．ただ，元のLPにはあったMCが一カ所カットされているのを発見．「何でも透かしてプー」の後にあった「カンニングペーパーなんですね」とかいう一言．教育上悪いと考えたのかもしれませんが，ちょっと考え過ぎでは？

ファーストアルバムがライブ盤というのは珍しいことですね。後日談では、ＮＳＰメンバーの本意ではなかったとか。
しかしながら、ファンとしては、なかなか楽しめる貴重なアルバムです。
三人のトークは、当時アマチュアから出てきたばかりという感じで上手ではありませんが、逆に素朴感を与えてくれるものです。平賀さんの特技というのもスゴイ・・・。
『ＮＳＰ Ｃｒｙ』は、その前身がロックバンドであったということから来ている曲調なのでしょうか。
『あせ』はなかなかよく、後にスタジオ録音されたものよりＧｏｏｄだと思うのです。飾りが全然無くて、好感の持てる音・声なんですね。
『おひるねの季節』は、ＮＳＰの色調が出ている好曲。
『がんばれやせがえる』は、天野さんと中村さんの掛け合いがとてもリズム感があり、楽しめます。後に天野さんがサインにカエルの絵を描いていたのは、この曲のイメージが残っていたためとか。
迷曲『便所虫』・・・。
『昨日からの逃げ道』は、復活ライブの方が迫力がありました。聴きくらべてみるのもいいと思います。時の流れと、アーティストとしての変化を感じさせてくれます。
『さようなら』はその後もずっとコンサートのラストを飾った名曲。
珍しいライブ盤のファーストアルバムですが、一度聴いたらＮＳＰを好きになってしまう、その後のアルバムも聴きたくなるような一枚です。

N.S.Pと聞くと、高校時代を想い出す。
手元にあるLPレコード盤は、疵で一杯です。楽譜が入っていたので、ギターを一生懸命練習していました。

彼らの詞は、高校生の僕にとっては共感できるところが多くて、歌っていても気負いを感じませんでした。少しセンチメンタルですが、少し背伸びしようとする気持ちがよかったですね。
メロディも、単調で覚えやすく、抵抗なく受け入れていました。
彼らの詩をまねて、作詞したり、コード進行を辿ったりと想い出一杯のアルバムです。
最初の曲「あせ」もいいのですが、最後の「さようなら」がとてもいい。
この曲を、ギターで練習していたことが懐かしく思い出されます。

ファーストアルバムがライヴ版というのは本当に珍しいんですね。三人のＭＣがとても楽しくて新鮮です。初々しくて笑えて聴き応えがありますよ。

このＣＤを聴くまではなんとも思わなかったのですが、ライブ盤においてのＡ－Ｂ面の入れ替えは思った以上に臨場感を損なっていたようです。
ＬＰのＢ１の新青春は確かにＢ１にふさわしい曲なのですが、それがかえって擬似的に二部構成のライブを思わせてしまいます。

改めて最初から最後まで通して聴けるこのＣＤはＬＰとは似て非なる一枚だと感じてしまったほどなので、このちょっとした大きな違いをぜひ体感していただきたいなぁなどと思います。