学業の合間を縫って製作されたスタジオ録音盤。
『ひとりだちのすすめ』は天野さんいわく『あせ』の延長線上であり
シングルにはちょっとみたいなのがあったみたいですが、
ＮＳＰらしいといえばらしい一曲です。
すでにこの時点で初期のＮＳＰがもってるエッセンスは封じ込められたような
気がします。

中村さんの伸びのある声が楽しめる『君と歩いてみたくて』にしても
やたら手数の多いメロディアスなベースが決まる平賀さんのセンスにしても
ここからＮＳＰの進撃が始まったといえるでしょう。
もちろん天野さんの甘めのピッチで展開される詩の世界も含めて．．．

ファーストアルバムがライブ盤でしたから、スタジオ録音はファースト版になります。
フォーク・ソングの響きを感じさせてくれるアルバムです。後に天野さんがテレビ番組で何がフォークで何がロックかについて触れていたことがあります。確かに変な意味で線を引くことはありません。でも、このアルバムの響きっていうのはいいですよ。

FIRSTアルバムが、ライブでしたから、スタジオ録音の彼らのアルバムを期待して待っていました。
僕が高校生の時ですが、ジャケットの潰れたカンが印象的でした。

恋愛に憧れていた頃のアルバムですから、妙に詞に心を打たれてしまっていました。全体的に、女性的な詞ですが、やはり男性の目線の詞ですね。

メロディも全体的に柔らかで優しいものが多いのですが、その中で「コンクリートの壁にはさまれて」は、少し激しいために、印象的な曲です。
それぞれの詞の題名も、気持ちを捉えてしまいますね。

とにかく、オススメです。初のスタジオ盤でもありますし、何も分からない田舎者達が、純粋に心を込めた作品集となってます。ジャンルは、フォークと云われてますが、ＮＳＰ独特の、純朴さ、若さ、田舎っぽさの、ＮＳＰポップスとなってます。ちなみにギターは、Ｃｈａｒが弾いてるんですよ。「コンクリートの壁にはさまれて」のギターソロは、とにかくカッコイイです。

LPがなくなってから捜し求めたアルバムがあったことにタダタダ感動！