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熟れてゆく夏 (文春文庫)

価格: ¥420
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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めまぐるしく移ろいゆく主人公の心情 ★★★★☆
 純文学の分野で賞をもらうためには、こんなにもごてごてと飾った文章を書かなければならないのかなと思わせてくれる、ため息の出るような作品です。まあ確かに、情景を鮮やかに読者の脳裏によみがえらせることは容易になるようです。そうはいっても、リアルタイムで登場する舞台は真夏の砂浜とリゾートホテルの2つだけです。
 ラストシーンをはじめとして、めまぐるしく移ろいゆく主人公の心の動きには、なかなか付いていけません。小学生時の従姉との想い出、直前の中年男性との不倫などもかわるがわる回想されるようですが、その評価さえも刻々変わっていく感じがします。
 同性愛の話も出てきますが、あくまで個人の問題として扱われます。たまにはこんな社会性のかけらもない小説を読むのもいいかなと思いました。
 あと、どうでもいいことですが、主人公のヘビースモーカーぶりには、少々辟易させられました。
女性の花芯に響く作品 ★★☆☆☆
女性の生理が書かせた短編集。タイトル作は直木賞受賞作なので、男性の選考委員は随分無理をしたと想像できる。一貫して女性が思い描く性愛のイメージを文章に綴っている。

「鳥、とんだ」は不倫の子として産まれたヒロインが、自らも実らぬ不倫の恋を続け、結局は実家へ帰る所から、自分が堕胎した我が子の分身と考えている愛犬の失踪までを描いたもの。女は愛に夢を託し、男は現実を視る。この単純な図式を表現するのに、どうしてこんな執拗な描写が必要なのだろう。理解に苦しむ。また、犬を登場させないと物語が進展しない仕組みになっていて、作者の力量不足を感じる。そして他の作品も含めて気になるのは、作者が漢字と"ひらがな"のバランスを考えていないのではないかという点である。"ひらがな"が多過ぎて読みずらいのである。海外文学の翻訳物でも、こんなに"ひらがな"は多くない。"ひらがな"が多い方が女性らしい柔らかさが出るというような世迷い事は聞きたくない。「熟れてゆく夏」のヒロインも不倫の子で、思春期に特殊な性体験を持つ。一見男嫌いだが、淫乱癖がある。そのヒロインが一夏を海辺のホテルで過ごすという淫夢譚。ヒロインが慕う奇矯な婦人とそのヒモ、登場人物が全て醜悪で、彼女等が織り成す夢想を含めた性愛ゴッコは酸鼻を極める。それにしても作中に出て来る「緻密な熱気」という言葉。こんな表現が日本語にあるだろうか ? 前作と合わせ、作者の日本語の素養には疑問を感じざるを得ない。「三月の兎」は今で言えば"季節性鬱病"の女性患者を扱った小品で、取り立てて言う事もない。

本短編集は、女性が体の芯で感じた熱い熱情をシニカルに描いたもので、女性読者にとっては素直に受け止められるものかもしれない。個人的には、本作が文学的に昇華されているとは、とても思えないけど。改めて、女性と男性は別の"種"だと感じる。女性にとっては心と体に熱く響くかもしれない短編集。
とても柔らかい文章 ★★★★★
 第100回直木賞受賞作品。
 受賞作品の『熟れてゆく夏』の他2編を収録した中編集。
 3編ともどこか暗い部分を持つ女性の恋愛について綴る。元々作者が詩を書いていたからか、どこか詩的でとても柔らかい文章で綴られている。
 登場する女性達が持つ暗い部分を形は違えど誰しもが心の中に持っているのではないかと思う。

 ソレデハ…

ドキドキ ★★★★★
その展開にはかなりドキドキ、ハラハラさせられました。
主人公の律子はどこまで行ってしまうのか・・・という気持ちでいっぱいのまま、夢中で読みました。
読後の爽快感は、かなり満足させてくれました。