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坪内稔典句集〈2〉 (現代俳句文庫)

価格: ¥1,260
カテゴリ: 単行本
ブランド: ふらんす堂
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稔典俳句の魅力 ★★★★★
 この句集には、『百年の家』全(平成5)、『人麻呂の手紙』抄(平成6)、『ぽぽのあたり』抄(平成10)、『月光の音』抄(平成13)の他2本のエッセイが収録されている。第1句集にある初期の自意識が屹立して迫ってくるような作品群にくらべて、随分すんなりと読めてしまう。俳句詩形とすっかり「ほぐれた」仲になり、季語の愉快な取り合わせを楽しんでいる。作者は俳句の特性は「口誦と片言」(『俳句−口誦と片言』五柳書院 平成2)であるとする仮説的視座を提唱し、その立場で作句活動を展開している。「伝達不可能性」の一方通行的俳句から、作者の手を離れた作品が読み手の感受性によって再び作者に影響を与えるという双方向性のことばの力を経験したという。代表的な句として今日よく話題になっている「河馬」とか「甘納豆」の一連の句のことである。自意識の毒気を抜かれて少々物足りないと感じる句もあるが、作品は時系列的に読むことを強いるものでもない。読み手は稔典ワールドのことばの仕掛けに取り込まれ、口ずさんで楽しい不思議な句の数々に出会えるだろう。
 読み手が感じた一句。「恐竜のすわった跡か春の闇」(『月光の音』抄より)