山でも社会学は存在するのだという証左
★★★★☆
そもそも社会学とは何か、という問にはこの著書は答えてくれないが、社会学とは一応こんなものだと考えている人には「山の社会学」という観点は興味深い筈。つまり、登山(観光も含めて)に関しての最近の動向や問題点、かつてと現在との比較等を通して人間と山との関わり方を、正に「社会学的に」述べている。
社会学は何でもありの学問という前提に立てば、これまでの社会学ではない社会学を提示しているとも言える。社会学と言われるものは一通り総覧したと思う人、登山等の山と人との関わり方を考えてみたい人にとっては、一つの新しい視点を提示している本である。