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ノルシュテイン氏の優雅な生活 (ラピュタ新書)

価格: ¥780
カテゴリ: 新書
ブランド: ふゅーじょんぷろだくと
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モーツアルト並みの即興、そして優しさと暖かさ ★★★★★
名作「話の話」、依然として制作中の「外套」さらに連句アニメ「冬の日」で素晴らしいキャラクターとイメージを生みだし続けるノルシュテインという人はどういう人物だろう?とずっと思っていた。

気に入った小説を読むと、作家についてもっと知りたくなるのと同じことだと思うのだが、そうした情報はこれまでほとんどなかった。「フラーニャと私」の中で、初めて彼自身によって、彼の実像が 多少はあかされたのではあるが。この小型漫画本を読んで、彼の人となり、スタジオの雰囲気がおぼろげながらわかったような気がする。

ノルシュテインに、モーツアルトばりの即興、湧き出るアイデアといわしめた作者で、彼の弟子である、ターニャの人柄も想像できそうなほのぼのとしたタッチだ。日本人には全く違和感なくわかる。
ロシア人の感性は、意外に日本人の感性と近そうだ。新訳チェブラーシュカの美しい挿絵は彼女の手によるものだ。

作者は確か今冬来日したので、次は「ノルシュテインとの日本珍道中」ができるのではなかろうか?

日本語に加え、英語、ロシア語まで入っているのは、本格的海外輸出の為だろうか?決して目障りにはならないが、大変な手間のかけかたにびっくりした。そういえば台湾の書店では、日本語雑誌がそのまま売られていたりする。本書が海外の書店にならぶことを想像するのも愉快だ。大手銀行を始めとして、日の丸を背負って偉そうにしていた大企業が続々沈没してゆく中、せめて自主独立のアニメくらいはがんばって欲しいものである。