ルパンシリーズはどれも好きだったけど、この1冊は、子どもの頃かなり好きだった。
今回もルパンは大活躍なんだけど、それは怪盗としてではなく、第一次大戦下のフランスで、救国の士として。ルパンに肩入れする子どもの頃の自分としては、いつもは警察から追われるルパンが本当は正義の味方だったってことが嬉しくてしょうがなかったんだろう。
大人になって、改めて読みなおしても、その気持はまだ残っていたが、それ以上に、この小説の出来の良さに感心した。
作家の米澤穂信が、あとがきで書いているように、盛りだくさんの仕掛けと伝統の騎士道物語の雰囲気が、この小説の魅力だ。面白かった。