信州で採れる素材を使った保存食??ってこと?
★★★☆☆
信州で採れる地の果物や野菜などを使った保存食ということでしょうか?
伝統的な食べ物の博物的なものを期待していたら、
「今風にアレンジしてみました」
といったこ洒落た感じがあり、一般受けするでしょうが、信州産のおいら的には
「別にこんなん、信州じゃないじゃん」
ってなものの方が多いです。
分野的にはジャム、コンポート、果実酒、ジュース、手作り調味料、常備菜、風土食と、結構範囲は広いですし、保存用に加工したものの調理法のバリエーションの方が多いくらいなので、
「庭から取ってきて作ってみよう」
という気にはなります。
ただ、この本、灰汁のとり方下手。
昔ながらの伝統的な風土食は「みそ」「凍りもち」「寒天」「柚子餅子」といったところでしょうか?
「凍み豆腐」「凍み大根」というのは全国区のたべものだし、「干し柿」なんかは郷土色をもっと出したいなら、柿の種類を選ぶべきのような気がします。
スチューベンのように「知る人ぞ知る」素材や、ここ5〜6年、急速に流行りだしたゴーヤを取り入れていたりするところは、流石地元新聞紙と思いますが、蕨、きのこなどの山菜類が少ないです。もっとも下手に書かれて山を荒らされたのではたまりませんから、そういう配慮もあると思いますが。
ちなみに、本書では「かりん」といって正しい「かりん」の写真が掲載されていますが、諏訪や松本平、安曇野なんかだと、「かりん」というと「マルメロ」のことなんですよね。
信州人のどこらへんの人が正しい「かりん」を使うのか、ちょっと知りたいくらいなんですが(笑)