無節操に暴走するヒロインが帰ってきた
★★★★★
前作『三人熟女』でトライしたしっとり熟女路線に、それ以前のはっちゃけ暴走ヒロインの要素を程良く盛り込んだ楽しい作品。作者お得意の変態趣味もしっかり増量、本作ではキーアイテムにもなっている。ヒロインは2人の兄嫁(38歳と29歳)と新任の副担任(23歳)なので血縁者はいない。清楚で生真面目な佇まいの長兄嫁(未亡人)に対して奔放で楽観的な次兄嫁(夫は出張がち)、そして生娘の焦りを秘めながら怜悧な数学教師を装う先生と、ヒロインのキャラ設定は申し分無し。「数学萌え」との表現がナイスな先生のクソ真面目振りがなかなか面白い。本作の良いところは、これら3人が普段は大人の分別と節操(次兄嫁はやや希薄)を持ちながらも、主人公(17歳)と関わると愛欲で腑抜けて幼さを見せることである。このギャップが実に可愛らしい。特にずっと我慢してきた主人公への想いが決壊した長兄嫁の貪欲な豹変振りには驚きと愛らしさで笑える。ただ、各ヒロインの心情描写やストーリー展開に頁を割いた分、肝心の情交描写が少し割りを喰ったようにも感じる。合体を果たした後の爛れた関係があまり描かれていないので若干の淡白さがある。最後の4Pにしても先生の願いを聞き入れるためのお尻責めをしている間に頁が尽きてしまい、4P自体が(お尻だけに)尻切れトンボという印象である。本来なら4Pをきっちり描いてからエピローグも入れたかったところを泣く泣く削ったのかもしれない。魅力的なヒロイン達ながら充分に活かし切れていないところも少し残念。思い切って頁を増やし、長兄嫁の“お漏らし癖”の理由も含めてきちんと描き切った方が良かったようにも思ったが、宮園作品としてしっかり楽しませて貰った(『四人の姉と僕―危険な生下着』の半分くらいは笑った)ので星5つ献上したいと思う。