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紐と十字架 (ハヤカワミステリ文庫)

価格: ¥735
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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<リーバス警部>シリーズの原点となる、記念すべき第1作 ★★★★☆
現代英国ミステリー界を代表するイアン・ランキンによるスコットランドはエジンバラ警察の<リーバス警部>シリーズの記念すべき第1作。本書でリーバスは部長刑事として初登場する。

観光都市・スコットランドの旧都エジンバラで連続少女誘拐絞殺事件が起こっていた。大規模な捜査陣で事件にあたるが、手がかりはつかめない。リーバスもその一員だったが、そんな彼の元に匿名の郵便物が真ん中に結び目のある短い紐が同封して複数回届く。ただの嫌がらせか・・・。やがて4人目の犠牲者が出るに及んでそれらが重要な意味を持っていることが判明する。

本書は、41才の結婚に破綻したリーバスとその娘で12才のサミー、疎遠だった弟で麻薬がらみの悪事に手を染めているらしいマイケル、のちに上司となるジル・テンプラーとの交際、そして何よりも、リーバス自身の陸軍特殊空挺部隊(SAS)時代が丹念に描かれる。

後のシリーズ諸作品の重層的な展開とは異なり、ボリューム自体は短いが、リーバス個人に関ることがらが連続少女誘拐絞殺事件と結びついているのが特徴的である。

本書は第1作であるが、訳出が’05年と遅かったため、他の、先行して紹介された、たとえば『黒と青』や『甦る男』などのCWA賞とMWA賞を獲得した代表作に見られる、上司に反抗的で、孤独で、一匹狼的なリーバスの過去が明らかにされ、彼の原点を垣間見たようで非常に興味深かった。
いや、はまりました。 ★★★★★
「青と黒」が有名だが、最初の1冊は本書だ。いや、これを読んで一発でリーバス警部の大ファンになりました。よく首にならないよなーと思いながらシリーズを追いかけている。舞台となるエジンバラを中心としたスコットランドの描写がまた格別なのだ。ちょっとした旅をした気分にもなれ、イギリスという国の複雑さもちょっぴりわかったような気分にもなる。
リーバス刑事のシリーズ第一作 佳作 ★★★★☆
ひさびさの硬質なミステリでした。
 主人公のジョン・リーバスという刑事の造詣がなかなかに渋好みでよい感じです。彼は刑事になる前に陸軍特殊空挺部隊(SAS)に所属していた時期があるのですが、その時にあった事件がもとで極度のトラウマを持っています。そのトラウマと家族との過去が彼の性格に深い影と弱さを作っているだけでなく、今回の事件にはその過去が絡んでいます。彼は一体何にそんなに罪悪感を持っているのか。何が彼を追いつめるのか。
 けっこう行き詰まるサスペンスミステリでしたのでお勧めです。
 ただ、今回はその過去との対決があらゆる面で物語に深みを与えていたのですが、次回作以降ではそれは要素の一つになってくるので、そこで彼がどんな風な動きをするのか、人物像が深まっていくのか、犯人達の造詣にリアリティは出てくるのかがまだわからないので、シリーズとしての評価は次回に持ち越しです。シリーズの何作目かの「青と黒」だかがけっこうたくさんの賞を受賞しているようですが、ミステリの賞ばかりはあてにならないケースも多いので自分で読んでまた感想などアップしていきたいと思います。
 一作目の感想は非常に良かったです。
最初に読むランキンとしてベスト ★★★★★
本書のベストセリフ
「世の中は偽善に満ちたものであり、
大学の外に贅沢な生活が待っていることを悟ったとたん、
理想主義は跡形もなく消える。
大学を卒業したとき、彼女はすべてを手に入れたくなる。
ロンドンの管理職、自分のフラット、車、高給、ワインバー、
おいしい生活を手に入れるために、
理想主義など丸ごと捨てるだろう。
しかし今はそれが理解できない。
今は自分の恵まれた環境に反抗しているのだ。
それが大学というところである。
両親の保護から離れた学生は、
世の中を変えることができるとうぬぼれるものなのだ」
ジョン・リーバスシリーズ1作目。
リーバスものは500P超えがほとんどだが、
これは300Pちょいしかない。
登場人物紹介欄も一桁しかなくて、
リーバスものの中では一番単純で、
読書の腕前が低い人にもお勧めである。
単純だが捨てろタイプなハードボイルドではないので、
最初に読むランキンとしてベストであろう。
8歳から13歳の少女が四人殺される。
使い古されたサイコパスの犯人かよ!と思ってはいけない。
犯人は一切性的暴行はしない。
誘拐して殺して死体を捨てるだけ。
想像を絶する異常なサイコパスと言うが、
凡百の作品では、
若い女ばかりを犯して殺すが、
正常な奴でも若い女を犯すのに、
どこが精神異常者やねん!
と思っていたが、さすがランキンである。
女に興味がない本物のサイコパスを見事に描いた。
リーバスの軍隊時代のトラウマも暴かれるが、
これも凄いネタであった。
アリステア・マクリーン の『女王陛下のユリシーズ号』 読んでなかったら、
世界一悲惨な地獄の軍隊体験と絶叫するところであった。
ネタバレになるので詳しくは書けない。
読んでランキンファンになって下さい。

スコッチ・ウォーズ<リーバスの誕生> ★★★★☆
SW最新作では、なぜダース・ベイダーはダーク・サイドに堕ちたかーという部分があきらかにされましたが、本作はまさにそのリーバス版!
「黒と青」で日本に紹介されたリーバス警部シリーズですが、実はそれはシリーズ8作目。「血の流れるままに」でひとつ遡って7作目から翻訳されていました。本作はその第1作なのです。
今でも若々しいランキンですがこの第1作ではさらに若く、固いな~と感じる部分がある導入部。リーバスもいまひとつリーバスらしくない。自分のフラットに女性を連れ帰って、かける音楽は軽いジャズ!だいたいがナンパしたりされたりするリーバスを誰が予測できたでしょう?
ああ、この本もよくある「人気作家の発掘モノ」で終わるのかなあーと思い始めた中盤過ぎ、物語は一気に加速し、そして誰もが知りたがっていたリーバスの過去があきらかになっていきます。それを知りえただけでも大収穫ですが、結果的に堅苦しい前半から一気呵成に向かうラストまで、けっこう楽しめた一冊でした。
ただし!リーバス警部シリーズと思わなければーですが。ここでのリーバスはやはりちょっと違うキャラクターです。ランキンもこれがシリーズ化されるとは思っていなかったみたいですし。
こうなると他の未翻訳が俄然読みたくなってきます。どうやってリーバスは今のリーバスたり得たのか?楽しみがまたひとつ増えました。