インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

黒と青―リーバス警部シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

価格: ¥1,890
カテゴリ: 新書
ブランド: 早川書房
Amazon.co.jpで確認
不良警部とともにスコットランドをほっつき歩こう ★★★★★
リーバスというのは、どうしようもない人間である。見た目も冴えないし、バツイチ、命令違反、協調性などカケラもない。でも、ふっふっふっ、そこがいいのである。1巻「紐と十字架」で夜勤明けの朝食を「盗む」という行為で手に入れた時点でファンになってしまった。彼の唯一の、そして最大の魅力はプロの仕事をすることで、命令違反をしても首にならないのは、事件を解決へと導くからである。この姿勢は見習いたいと思う。

さらにこのシリーズの魅力は、一応エジンバラに署は存在するのだが、彼の一匹狼な行動によってスコットランドじゅうを旅できることだ。本書は特に、北海の油田から無人島にあるローマ時代の遺跡にまで足を伸ばすのが素晴らしい。そうやって引っ張りまわされている中で、とても自然にイングランドとスコットランドの確執も見えてくる。「アーサーズ・シート」という地名が血なまぐさいものに思えてしまうようになったのには、ちょっと閉口するけどね。

部下だったら大いに困ったヤツだが、上司に持つには微妙にいいかもしれない(笑)。
CWAゴールド・ダガー賞受賞!スコットランドを駆け巡るリーバス警部 ★★★☆☆
英国におけるミステリーの頂点、「CWA(英国推理作家協会)賞」の’97年度ゴールド・ダガー賞(最優秀長編賞)受賞作で、<リーバス警部>シリーズの第8作である。

’98年、「このミステリーがすごい!」海外編第6位にランクインしている。

北海油田の労働者が墜落死を遂げ、リーバスが捜査に乗り出すのも束の間、1960年代にスコットランドを震撼させた絞殺魔“バイブル・ジョン”が復活したとしか思えない同様の手口の連続事件が30数年を経て発生。当時事件は迷宮入りとなっていた。リーバスは地を這うような捜査を始める・・・。

一方、かつてリーバスが逮捕に関わった服役囚が冤罪を訴え獄中で自殺し、内部調査が行なわれる。一度にいくつもの事件が同時多発的に起こる、いわゆるモジュラー型とでも言うべき展開で、リーバスはひたすら忙殺される。
しかし、そのひとつひとつの課題との関わり方を通して、主人公リーバスの一匹狼的な個性と孤独な姿が浮き彫りにされてゆく。

本書の何よりの読みどころは、’80年代以降ミステリーにおける重要なファクターとなったサイコ・スリラーを、新たな視点から料理しなおしているところであろう。

本書は、現代英国風ハードボイルド警察小説に新機軸のサイコ・サスペンスを加味した秀作である。