女性を取り巻く様々な感情や現象に対し、いろいろな角度からこれまでの観念の正当性や信憑性を投げかけてきます。本当に今まで信じてきた考えがが正しいものであったのかどうか、疑わしさを持たせてくれるのです。
彼の唱えるような「青女」として生きるかどうかは別にしても、これまでとらわれてきたものに対し、疑念を抱くことによってその背景を考えるようになります。そこから自分なりの価値観を見出してゆくこと、価値を磨いて生きてゆくことへの重要性に気づけるようになる本です。
また、著者は固定観念を覆し、創作活動や芝居などでかつて誰もやらなかったことへ挑んだ為に前衛派だといわれていますが、その前提には自分なりの観点をもって古い書物などを読みこみ、彼なりに消化し、引用することを忘れていません。歴史や伝統、文学を省みた上での著者の観点もきちんと見直すべきだ感じました。