何と言っても参加メンバーが豪華で、ギターにビル・フリゼールとジョン・スコフィールド、ドラムにピーター・アースキンと各人がリーダー作を出している実力派。名前を見ているだけで愛好家にとってはたまらなく魅力的な面子です。1曲目の「Samurai Hee-How」は同じくECMを代表する知性派ギタリスト、ジョン・アバークロンビーとのコンビでも演奏されていますが、フリゼールとアバークロンビーのアプローチの違いを確かめるのも興味深いところです。全体を通して聴くと、やはりフリゼールの浮遊感あふれるプレイが支配し、マーク・ジョンソンが手堅くフォローするという構造で、ジョンスコの姿は希薄に感じられます。ジョンスコファンにとっては何とも歯がゆいところですが、それだけ超個性派のプレイヤー、フリゼールが作りだすサウンドは強烈な影響をもっていると言えます。