集結した「獣の騎士」たち
★★★★☆
惑星を砕く"ビスケットハンマー"を操る魔法使いと彼の野望を阻む使命を負った姫と騎士たちの物語、4巻目です。
前巻でようやく全員が揃った「獣の騎士」たちですが、この巻では彼らが集ってくるまでの一人ひとりのエピソードが語られます。
それぞれ個性豊かに描かれています。みなさん「カジキマグロの騎士」秋谷稲近がおすすめですね。確かに彼の生き様はカッコイイです。何気にサブタイトルが「指輪の騎士」なので、唯一騎士の指輪が強調されている「黒猫の騎士」風巻豹(しまきひょう)がこの巻の影の主役なのかもしれません。
この作品、私の中でいまいち評価が定まらないのです。たぶん、ティーンエイジャーのときに出会っていたらどはまりしたんだろうなぁ、とは思うのですが。
各キャラクターが名セリフ吐きまくりでカッコええなぁと思うのですが、どの人物も共通しているのは、人生に達観しすぎているというか、シニカルというか、もうちょっと執着してドロドロしてもいいのかなぁと思うのですね。多分作者の人生観が反映されているんだと思うのですが。だから、名セリフが魂まで響くのか、プラスチックワードで終わるのかの境界線にいるんですね、自分の中では。
そういう意味ではやや「エヴァンゲリオン」と同軸上の物語ですね。
ただ、もはや歴史時代に編入された「90年代の空気感」を感じられるマンガです。
もう少し見守りたいと思います。
秋谷稲近の熱い物語を読むべし
★★★★☆
●あらすじ(ネタバレ防止の為に短いです)
第24話:白道八宵とヘビの騎士→レイヤーの八宵
第25話:私情の男と馬の騎士→刑事と腰痛
第26話:日下部太朗とネズミの騎士→ゆーくんのブルータス!
第27話:魔法使いと風巻豹→神の領域
第28話:秋谷稲近(前編)→掘り返し物語
第29話:秋谷稲近(後編)→老兵はただ去るのみ
まだ、騎士(登場人物)がどのようにして現れてきているかを説明している構成です。
中でも秋谷稲近の回は熱いですよ!かなりおすすめです。
編集ミスにより、もくじの『第27話』が『第20話』となっていたりします。気になった人はチェックしてみてね。
集う騎士、逝く騎士 それぞれの話
★★★★★
前巻で魔法使いアニムスが登場、対する夕日たち獣の騎士団も集結して敵味方揃い踏みとなったわけですが、この巻では一度に何人も新登場した騎士たちの紹介がメインになっています。
彼らの一人一人、性格はもちろん戦いに臨む姿勢、願い事の使い方などがそれぞれ違っていますが、いずれもしっかりキャラクターが立っているのでこれらの絡みがどんな話を生み出すのか期待が持てます。
また、前巻で泥人形と戦って死んだと会話の中にあった師匠ことカジキマグロの騎士・秋谷稲近の話がこの間の終わりに出てきます。読む時のお楽しみのため詳しいことは書きませんが、ずっと昔から自分の死ぬ日を知っていた秋谷が、いかに弟子2人に未来を託して死んでいったかのくだりは実にかっこいいです。作者がこの話にいかに力を入れて描いたかが、見ていてはっきり感じられました。
一度視てほしい
★★★★★
細かく書くとネタばれになりますので詳細は省きますが、
現在発売されている1〜4巻全部で、
ただ悲しくて泣くとは違う泣ける話があります。
燃える展開と、真の漢が涙をさそうそんなお話です。
お勧めですよ!
いずれもキャラが立っている獣の騎士たち!
★★★★☆
この巻は主人公・夕日と姫・さみだれのお話は一時中断。
獣の騎士ひとりひとりについて語られます。
いずれも個性的でキャラが立っています。
中でも、3巻で存在のみが語られていたカジキマグロの騎士・秋谷稲近がイイです。
500年以上を生きた超能力者。人呼んで師匠!
カジキマグロとの出会いには笑えます。
そして、その最後はやはり泣けました。
日常にしっかり根を下ろしながら、奇天烈、荒唐無稽なこの作品。
普通の非日常系ファンタジーに物足りなさを感じているひとにオススメです。
◎お気に入りの1コマ
P182下段。
昴・雪待による合体領域・最強の矛を発動させる瞬間。
文字通り、最後の力を振り絞った師匠の姿の後だけに、そのアツさもひとしおです