10年以上たっても日本は何も変わらない
★★★★★
作品の内容は文句なく面白いので今さらここで書く必要がないが、新刊で出てから二次文庫化される今日まで、当時と日本は殆ど変わって
ない事が一番の問題でしょう。
国防というものの意味を本気で考えず、今さら自衛隊の存在自体を議論しようとしたり、他国との交渉についても常に性善説に基づいての
議論をしたり・・・。
ミステリだと思って読めるが、小説内で出てくるアメリカの日本に対する見解は今も変わってないと思う。非常に的を得ている。
全てを政治のせいにしながら選挙にも行かない人達に読んでもらいたい。組織票って怖い、だけど政治家が団体を向くのは当然です。
これからも変わらないのだろうか。
★★★★★
麻生幾著「宣戦布告」より自衛隊の状況など細かい描写は劣ると感じたが、
一部新興宗教が登場するなど、98年当時のキャッチーな話題を
ふんだんに盛り込んだ意欲作だと感じました。
未だに本書の状況と変わらない現実に、98年の発行から今に至るまで、
この国は何を目標としてきたのか、考えさせられます。
そして、テレビのアナウンサーがしめくくる、
「安全保障とはどうあるべきか、われわれ自身が自覚し、考えていかなくてはなりません。」
とこれからも言いながら、過ごしていくのでしょうね。
是非、ご一読を。
面白い!
★★★★★
原発をターゲットとし潜入した謎の工作部隊、それに対し全く判断をする事ができず右往左往する政治家達…このプロットは麻生幾氏の「宣戦布告」に似てはいるが、これとはまた違ったスリルを提供してくれていて、娯楽として面白い。
本書は去年に文庫化されたシリーズらしいが、こうも引き込まれると続刊も期待したい。
今こそ読みたい、日本の安全保障シミュレーション小説。
★★★★☆
北朝鮮に向かう武器・弾薬を満載した貨物船が突然大爆発。
あおりを食って米原潜が航行不能に‥。
急激に高まる緊張のさ中、原発銀座の北陸地方に謎の武装集団が出現。
100名を超える機動隊員が殺戮された。
一体、彼らの正体は‥。
日本の安全保障の不備を鋭く衝く、問題作。
昨年暮にでた新刊文庫だが、98年暮に出された単行本の2次文庫なので、
時代的ギャップがあるのは止むを得ないところだろう。
しかし、わが国の自衛隊の運用についてはそれから少しも進歩していない
ように見える。
今回の海自ソマリア派遣のごたごたを見ると、平和ボケもいい加減にして
くれといいたくなる気持は、恐ろしいことに本書が書かれた環境と全く変わらない。