犯行に至るそもそもの原因がダンナの浮気だったりして、どこか火曜サスペンスな匂いがする。しかしそれが逆に「きっと才能ある人がブチキレたらこうなるんだろうな」と背筋がうすら寒くなる効果をかもしだしている。
飛行機は今コンピューターで制御されている。それが一瞬にして狂いだしてしまったら、どうなるのだろう。考えさせられる作品だ。
いや~、これは傑作です。
コンピュータが生活の一部に入り込んでいる現代、そのコンピュータを
扱う人間の恐ろしさを見事に描写しています。一人の人間が犯罪に手を
染めるまでの過程を丁寧に描写していて、自然に感情移入できます。
しかも、ちょっとしたミスで、思わぬ事態がおきてしまい・・・
と、読み始めるとトイレに立つのももどかしくなるほど一気に読ませてくれます。
この作品を読んで、飛行機に乗るのが怖くなってしまいました。
間違いなく第一級のエンターテイメント作品です。