この段階で朝倉恭介が絶対死なないのは読者の誰もがわかっているので、せめてもう少しピンチに陥ってくれればエンターテイメントとしては面白いだろうが、無理な注文かもしれない。
一夜で読みきってしまう引き込みの上手さは絶品。スピード感のある中盤以降はもちろんだが、楡さんの作品にしては序盤からすんなり読めた。
しかしシリーズを通して読んでいないとCIAの人は誰?って感じだろう。シリーズ初心者にはお勧めできない。
主人公朝倉恭介の「悪の魅力」を大きくする意味でも、前作から読んでもらうと面白さが倍増すると思う。