あー、もうね、好きにして。
★★★★★
ニートに興味があるとか、スカトロきっついとか、もうぜんっぜんどうでもいいでしょそんな話。
そんなのうわべの話でしょ、見えるとこっていうか。てかアナルで遊ぶくらいのこと経験しときなよ。恥ずかしい。
もっと見てよ、差し込むような、ゆらぎ。油彩みてーに強く滲む、こころ。
34歳、男。この作家の一ファンです。
ニートと2+1は、正直フツーだぞと。別にだぞと。
ベルエポックは、締め付けられるような、ほのぼのとした別れ。
ちなみにベルエポックってのはウィーンだかパリだかの「良き時代」。
へたれは、うわっこうきたかぁあ。心平も草葉の陰でニヤリ。
愛なんかいらねーは、まずスチャダラパーのグッダグダの浮遊感でしょ、で、乾いた切実な二人の交わり。
最高。言葉が好きでよかった、こんな本が読みたかった。
帯通り珠玉の短編集。それどころか、もしかしてあれなんじゃない?オレ、いっちばん好きかも、この本。
秋子ちゃん、きっと自分の書いた本なんて忘れたころにしか読まないんだろうな。
差し込むような、突き抜けるような、ゆらぎ。それ書かしたら、もう全部持ってくからこの人。
なにその持ち上げ方。聞いた事ねえよ(笑
いろんな愛の形があるんだなと思った。
★★★☆☆
5編の短編集。全体的には、なんて表現すればいいか分からない曖昧模糊な感じがしました。私はこの主人公たちとそんなに変わんないかなと思うし、そんなにこの人たちのことを馬鹿にはできないとは思う。
各短編を紹介します。
「ニート」:会社を辞めてから、引きこもっていて、所謂ニートになった「キミ」と駆け出しの作家である元ニートの「私」との微妙な関係を描いている。私はキミにお金を寄付するのである。
「ベル・エポック」:みちかちゃんと私の女友達の微妙な関係を描いたもの。みちかちゃんの引越しを私が手伝いにいく。
「2+1」:「ニート」の続編。私とキミの間にルームメイトが介在する。キミが私の部屋に泊まりに来るのである。
「へたれ」:松岡さんという人と遠距離恋愛をしている僕の話。新幹線の社内で叔母のことが思い出される。感想は、正直へたれだよなと思う。所々草野心平の詩が出てくる。
「愛なんかいらねー」:いろんな形があるんだなと思った。不快に感じる人もいるだろうな。
人はなんのために小説を書くのか?
★★★☆☆
「海の仙人」では、分厚い本が偉そうに幅をきかせている昨今、この薄さでこれだけの物語が紡ぎだせるのだと感動した。けれど…… 糸山さんの作品は時々、ナルシシズムに偏ってしまうと 感じる。いわゆる「ニート」の年下の男にぞっこんな女も、丹念に(?)描かれたスカトロも、たとえ読んだ者が不快になるとしても、ぶれない精神性に貫かれていれば、文学として全然問題ないと思うのだが、どうも彼女は「私」で語るとき、自己愛的になってしまう気がする。かつては、荒々しくても一見よごれていても、ラフダイヤモンドのような、可能性を感じさせるきらめきがあちこちに見られたと思うのだが……。
読み終えて、人はなんのために書くのだろう、と考えさせられた。
理由を問わない
★★★★★
この「ニート」も「ばかもの」もそうですが、
男の人が仕事をやめてしまったり、
お酒にはまってしまうときに、
その理由がほとんど書かれていないところが好きです。
実際の人間関係でも、そういうことは、結局わからないし。
筆者の、他人との距離感の節度のようなものが
とても清潔な感じがします。
わずかな違いが大きな差となる
★★★☆☆
各短編に登場する人物と私たちは、何が違うのか。
おそらく、具体的に“何”と断言することはできない。
だが、その些細な違いで、生き方が大きく異なってしまう。
現状に満足しているかいないかは別として、生き方を選んでいるのは自分自身。
現状を変えられるのも自分しかいない。
そんなことに気付かせてくれる一冊です。