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逃亡くそたわけ (講談社文庫)

価格: ¥420
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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どうしようどうしよう明日がきてしまう ★★★★★
花ちゃんと、花ちゃんの脱走に気軽についてきてしまった名古屋出身のなごやん。
2人はなごやんの愛車ルーチェで九州を縦断する。
風変りな2人の旅は心配事はあるけれど、喧嘩もするけど、なぜか楽しそう。それは、自由への逃亡だから。

日常的に花ちゃんの頭の中に響く「亜麻布二十エレは上衣一着に値する」。
この言葉が効果的に作品の中で使われていて、
この言葉が連続的に使われるだけで、いやがうえにも緊張感が走る。
使われるタイミングとかセンスあるなぁと思います。

本作を読んでいて、途中から松尾スズキ氏著の「クワイエットルームへようこそ」を思い出しました。
主人公が女性で、OD(オーバードーズ:薬の過剰摂取)で精神病院に入院させられるというところが共通点。

「クワイエ〜」が舞台が病院内で、しかも本人が突発的なODはしたものの精神病ではないと主張しているのに対して、「逃亡〜」は病院から抜け出すところからはじまって、すべて病院外の出来事で、主人公の花ちゃんは、躁鬱病を自覚している。
閉鎖空間で内面に落ち込みながら自分を取り戻していくクワイエの明日香と、南へ南へ空間的には広がりながら自由の限界点を探しているかに見える花ちゃんの2人を比較して読んでみるのも面白いと思います。
心の世界をこんなにも軽やかに描くなんて しかも深い ★★★★☆
とにかく面白い。

精神病院に入院する主人公が同じ患者仲間の慶応大学でのおぼっちゃまを引き込み九州を逃亡する話。


『語りえないことは、沈黙するほかない』


作者は慶応大学での鬱病の患者仲間とこのことについて語り合う。
逃亡しながらこんな話をしていく。

突き放した形で心を病んでいる患者の生活や価値観が語られる。

この小気味よさ。軽やかに宙を舞い、これなら自分も心を病んでも心配ないかもしれないと思わせてくれる。


この本の中にはいったいいくつの資本論、マルクス、ウィトゲンシュタインという哲学書など思想のダイヤモンドがきらきらと輝いているのに、それが知っても知らなくてもどんどん読めて気がつけば、私みたいにこの言葉好きと、教訓も受けてしまう。

気がつけば、いままでプラトンや仏陀や孔子から語り継がれてきた名言もなるほどなるほどと理解でき、何ともいえず、気持ちが軽くなる。

この難しい時代をいきる私たちのとって必読の書にまちがいない。




初期の大傑作のひとつ、この精神力はすごすぎる ★★★★★
 「亜麻布二十エレは上衣一着に値する。」いつでも彼女の冒頭はイカしている。
 重い躁うつ病だったことをカミングアウトしている糸山さん。そんな彼女なのに、精神病院から脱走した男女二人旅を、こんなにもかろやかにユーモラスに描きつつも、人生の奥の奥を見つめる視線をそらさない精神力というか、筆力は本当にすごい。
 躁うつ病やうつ病という湿っぽく取られがちな病と、九州という空の広い場所との取り合わせがなんとも妙。博多弁はよくわからないが、おおらかな南の方言がこの物語をますます魅力的にしている。そして、イカしたエンディングの一言。本当に面白い本を読んだ、と満足の一冊。
 ところで、「いきなり団子」! あれは本当においしい。
さわやかなロードムービーだけど... ★★★★☆
読んだ後も爽やかな気持ちにはなるし、まあ面白いんだけど、精神を病んで入院している人達二人で旅をするっていうのがちょっと無理があると思った。男の方は入院する必要が無い人に見える。そこがずっと気になった。
爽やか ★★★★☆
作中、ヒロインは執拗に幻聴に悩まされ、抗精神薬なしではいられない病状ながら、読んでいて鬱陶しい感じは全然ない。 それは主人公二人が、自由だからだろう。人は環境はどうあれ、行きたい所へ行ける。そんな自由な気分が作品にみなぎっている。そして我々読者も二人の自由を追体験することで、読後はカタルシスがある。 読みごたえのある巧い小説。