日本各地の伝統行事。
★★★★★
日本各地の季節ごとの伝統行事について書かれた本。宗教民俗学の視点から書かれているのでこの題名なのだと思う。1982年に出版された本の文庫化。おそらく、今では見られなくなってしまった地域の伝統文化もあるのではないだろうか。
五来先生の本を読むのはこれが3冊目だが、茶道の雑誌に連載された記事を本にしたものなので、今まで読んだ専門書2冊と比べてとても親しみやすい文章に感じられた。新年の「修正会・修二会の餅と花」、春の「桜会と鎮花祭」「やすらい祭と法華会」、夏の「水無月の川祭と胡瓜」、秋の「六道参りと千日詣」「名月と穂掛祭」、冬の「お火焚きと神楽」「大晦日の魂祭」などなど、題名を見るだけで読みたくなってしまう文章が満載。読んでいてとても心安らぐ。図や写真もところどころに載っていて、季節感と共に日本の古き良き時代を感じさせてくれた1冊。