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私という運命について (角川文庫)

価格: ¥740
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川グループパブリッシング
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自分の運命は全て自分が選んでいる、それでも ★★★★★
昨年ある人に薦めていただいて初めて読んだ本です。


久しぶりに読み返しました。


ある女性の29歳からの10年間を描いた作品です。

自分にも様々な出来事があって、悩んでいるときに読んだので深く感動しましたし様々な感情をいだきました。



最も印象に残っている言葉として

「選べなかった未来、選ばなかった未来などどこにもないのです。」

というある手紙に書かれているメッセージがあります。


全くその通りだなぁと。


今の自分があるのは過去の自分の様々な決断や行動があるからだし、それは決して自分で選ばなかったことではない。


結果が思い通りにはなっていなくともその原因をつくってきたのは全て自分自身です。


今年30歳になった私ですがこの先の人生、未来をどのように描き、生きていくのか。


死んだように生きるのも、自分らしく生きるのも全て自分次第です。


自分の身体が動く限り、頭が働く限り、不可能を可能にすることもできる。


その為にどれだけ思考し行動していくかだけが全てです。


人は一人では生きていくことはできません。

また一人で生きてきたわけではありません。


常に誰かに支えられ、助けられて生きてきたのです。
良い人が死にすぎるのは、イヤだな ★★★★☆
生と死を真っ正面からとらえた白石の作品のフアンです。本作品も、若干現在のIT事業分野の記述が多く、ちょっと話がそれてしまいそうでしたが、仕事の中で人は生きているのでそれはやむを得ないかとは思いました。
30代にさしかかった有能で素敵な女性の10年間は、身近にもそういう人物がいるだけに、とても興味深く読みました。

ストーリーは、阪神大震災や中越地震など社会的な大問題を取り込みながら、非常にリアルで、臨場感あふれる話となっており、秀逸なものであることはこれまでの作品同様に大いに評価できるでしょう。
特に中心命題でもある、愛する人の「死」とどう折り合いをつけるのか、とても興味深く、考え、納得し、時に反発し刺激的に読むことができました。
ただ、どうしても☆5つはつけられなかった。

確かに、生と死、特に死を真っ正面からとらえるだけに身近な人間の死が登場するのはやむを得ません。それにしても、これだけ多くの人の、それも若い人の死が一人の人間に振りかかる、それもある意味(変な言い方だけど)タイミング良く起こるのは少しやり過ぎな印象を覚えました。
確かに、死は若者にも年寄りにも怒るものです。どの死も意味があると思います。それにしても、20代から40代の若者に、こうも死をもたらすのはちょっと私はしんどかった。そこんところがどうも、どうしてもこれはちょっと。。。

作品として学ぶべき、推すべきものであることはいうまでもありませんが、ちょっと、やりきれない思いになってしまったのです。
オジサンによる、オジサンのための、妄想 ★☆☆☆☆
携帯小説と、橋田スガコと、経済小説を、足して3で割ったような感じ。
職業作家が書いたものとは、にわかには信じられなかった(元週刊誌記者と知って納得した)。
オジサンが妄想にふけるにはいいかもしれない。

物語として、退屈。特に終盤は、なし崩し的に安易になっていく。
人物造形が破綻している。小説自体はリアリズムの手法で書かれているにもかかわらず、肝心の人物は像を結ばない。
また、女性観の偏りや、家父長制が当然の前提なのはキツい。「家の存続のため産むのが女の誇り、無上の喜び」「女性=30代半ば以後は長い冬を生きるだけ」「結婚したら夫にすべて従う」「未出産=不幸」。著者は無自覚なんだろうか、確信犯なんだろうか。潜在的に女性を罰したい心理でもあるのだろうか(笑)。
何組かの男女が出てくるが、「ひと目で運命を感じた」「決まっていた」。それ以上の恋の機微は無し。「君(あなた)のためなら何でもする」。それ以外の愛の機微は無し。いかにも、恋だの愛だのが面倒くさい男のスタンスがつい出ちゃって「余計なとこ省いときました!」って感じ。あるいは、実はかけないのかも、と疑ってしまう。
ディテール。若く美しく健康意識の高い主人公が作る献立は、どっちかっていうとDancyuを定期購読しているオヤジが作りそうだ(笑)。賢い大人の女性のはずが、集合住宅で深夜に洗濯機を回す。未婚女性に面と向かって「早く産まないと駄目」と言い、既婚子無し女性に「なぜ子をもうけないのか」無邪気に聞く。あり得ない。これじゃデリカシーのない親戚のオジサンでしょ。尻尾が出ちゃったね、という感あり。
そして、文に芸が無い。説明調が多くどうしても野暮に落ちる。

この著者は、歴史小説か経済小説なら、良いものを書きそうな気がします。
だから、もう女性は書かなくていいです。とゲンナリしました。
感情移入しがたい ★★★☆☆
とても丁寧に練りこんだ作品であることは認めます。
けれど、ここまで長く主人公の半生を追う物語でありながら、ほとんど感情移入できませんでした。
理由は3つ

1、事実に物語を絡めるのが強引すぎ。
田中角栄の話が出たと思ったら、阪神震災、香港返還、今度は宇多田ヒカルで、中越地震と全てに登場人物を絡めるのは無理があります。
他に挿入されるエピソードも唐突すぎてまさしく取ってつけただけに読めてしまいます。、
政治と庶民の対比とか、災害と日常生活という風に的を絞ったほうが読みやすかった気がします。 

2、登場人物がみんなエリートで現実感がない
常務に好かれ重要ポストに置かれる主人公、新聞記者の弟、40歳で企画部長にまで登り詰めた夫(元妻も実家も金持の模様)、大学講師の父、英会話教室を開く母。
恋人は30歳で独立する売れっ子デザイナー、東大卒で東京電力に入社する少年、人気ラーメン店の店主は30歳で独立。
周辺の登場人物もみなそれぞれちゃんと学校に入ってちゃんとした職についてます。
明治時代の小説じゃないんだから、エリートと金持ちだけで「女の人生」を語ろうとしても、上滑りになるだけです。

3、次から次に病気がオンパレード。
急性膵炎、クモ膜下出血、心臓病、肺ガン、胃潰瘍、ストレス性白毛と続けば「この人たちは体調を崩さなければ、人生を見詰め直すことがないのか?」といぶかしくなります。

他にも夢をキーワードにするのか、手紙をキーワードにするのかもどっち付かずで、もどかしく感じる。
九州編ではとても丁寧に「食べること」を描いているのに、それ以外の章では食の描写がほとんどほったらかし、など全体を通じて「トーンが統一しない小説だなあ」というのが正直な感想です。

けなしてばかりいますが、悪い小説ではありません。
もっともリアルに女性の運命を感じさせたのが、彼氏との合成写真を見ていたら「こんな子ども欲しくもないし、かわいくもない」という感覚に襲われるくだり。
「選べない人生」という本作の一つの主題がこのエピソードに凝縮されているようにすら感じました。
ある女性の10年間の物語 ★★★★☆
物語として、とても読みごたえのある、そして考えさせられる作品である。

主人公の30歳の女性が、別れた男性と再会するところから始まる。
紆余曲折の中で、彼女は彼と別れるという選択をした自分は
取り返しのつかない過ちを犯してしまった、ということに気づく。
彼の母親の手紙を読むことによって。

それ以降の彼女の人生の中で、重要な出会いがあり
別れがあり、節目のたびごとに手紙が登場する。

手紙、という、あまり見られなくなってしまったものの登場に
懐かしさと感慨深さを感じる。
しかもひとつひとつの手紙にはなみなみならない心がこもっていて、
読み終わるとずっしりと書いた人の想いの重さが残る。

唯一違和感があったのは、やはりどうしても男性の側から描かれた女性と言う
ものに限界を感じてしまう。
女性だったらこんなに冷静に対処しないだろう、もっと感情的に
なるのではないか、などなど…
また、子どもを産むという行為について、ロマンを抱いているのは
男性の方ではないだろうか。
出産を神聖化しすぎている感は否めない。

それを差し引いても、読む者を惹きつける力が大いにある作品だ。