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僕のなかの壊れていない部分 (光文社文庫)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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共感はむずかしいですが‥ ★★★★★
彼の行動や考え方は普通の人には共感できるものではないのですが、でも、それは決して小説の中だけにある誇張された人格とも言えないと感じました。
幼い頃に親との関係性にある種のトラウマを抱え育った子供は自我の形成に不完全さを残し「見捨てられ不安」に代表される認知の歪みが現れることがあると言われています。
彼のような経験は稀でしょうが、親が共働きで託児所で育った子供が多くなった近年、彼のように特異な感覚をもつ子供は0.7〜2.0%存在しているとの報告もあります。
小説の中の託児所への警鐘とも言える会話も作者の意図があるのかもしれません。
記憶している引用文でしか会話ができない主人公のことを批判するより、読者に自分の子供を今一度抱きしめてあげてほしいというのが作者の想いではないでしょうか。
生と死を見つめて ★★★★★
このところ、ただ漫然と生きている自分に多少嫌気が差して、そう、自分の生を限ってみよう。と考えた。私は50代半ばを過ぎているので、私はあと10年生きる(10年しか生きられないでもいいし、10年も生きられる、でもいいが)、と考えてみた。
するとあと10回の桜、あと10回の初詣で、等と思うことができる。
すると、とてつもなく寂しく、とてつもなくこの人生がいとおしい気がしてきたではないですか。

そんなおり、本作品を手に取ることができた。
そんな自分にはとてもタイムリーで、大変勉強になった。とても心強かった。
白石の作品は、いつも、人生に重要な、性、成長、老い、等をごく普通に日常の中のやり取りで、さりげなく自然に、しかししっかりと提示し、考えさせてくれる。

この作品は、多分、生と死を最も強く、前面に出した、従ってある種きわめて哲学的、宗教的とも言える内容に富んだ、素晴らしい物語であったと思う。
心ならずも感情移入をした登場人物の、やり切れない不器用な生き方、人生の顛末に淋しくおののきながら、しかし、私はこの作品を強く強く薦めるものであります。
絶望 ★★★★★
この作品は半端じゃない。
自分の本源的なところに目を向けようとしない人には
この作品はよくわかんないとおもう。
深い深い絶望感。
なにをやっても満たされることのない心。
別の世界に救いを求めようとするけれど、
そんな世界、ないって知ってる。
でも求めなければ生きていられないところにも絶望感の深さがでている。
こんなすごいと思った本ははじめて。
臭い。。 ★★☆☆☆
「これは恋愛小説では無く、文学です」と言いたげな感じが作品全体を
通じて伝わってきます。そもそも、文学の定義とは?って私はあまり
そこら辺には明るくないですが、正直な感想を。

まず、登場人物が唐突に出てくる感があり、(大西夫人、公平兄ちゃん、
パクイルゴン、真知子さん等。。)前触れもなく文章に強引に馴染ませ
ようとするので、読んで行く中で少々頭が混乱し、違和感を感じます。
後々、その紹介文が出てきますが、この文章構成は好きになれませんで
した。

そして主人公があまりにも頭でっかちで、こんな奴が隣にいたら本当に
頭に来るだろうなーと思います。作品を生み出すにあたり、作家はその
主人公に少なからず同一の思想を持つものだと思うので(特に文学では)
この作者もこんな奴なんだろうなと思うと、裏表紙の作者の写真が
とんでもなく気持ち悪く映りました。

表紙のイラストも奇をてらってか、しかし全く内容とリンクせず最悪。
でも非常に一生懸命に書き、その死生観には共感はしないもの、考えさ
せられる部分は確かにあるので、その部分は素直に認めます。
ゆえに2点ですかね。
否定的なレビューがおおいですが… ★★★★☆
「感情移入できない」、とのレビューがありますが、まず作者がさせる気がないので当たり前ではないでしょうか??

私にとって、育ちも女性関係もズレている主人公の、人生観は新鮮でした。

そして、どこまでも空気が読めない+自己中な発言…
まず、私にはあんな行動は予測不可能でしたから。

恋愛小説ではありませんし、普通の読み方をしてはいけないと早めに気付くべきです。


ひとつだけ疑問な点が、
面倒臭いと思いながらも女性とことに及ぶ主人公(いい歳+病気がち)。

そこまで面倒臭いと思うなら、普通起たないですよね〜…