光る魚の幽霊、海から来た子供達。
世界中にちらばる謎の事例と神話をもとに真実を解明しようと集まってくる科学者や研究者達。
自然、生命・・・その謎にせまろうとするほどにそこへ取り込まれ翻弄する人々。

2巻は海からきた謎の少年海と空にひきつけられた大人達、謎の隕石、彼らに同類と見なされた少女流花をめぐる物語がより深く進行していきます。

世界各地にあらわれる謎の子供達。
その正体は神なのか悪魔なのか・・・・・。
海には魔物が住んでいるというインドネシアの云われを思いだしました。

あいかわらず絵もすごいです。
嵐の中にあらわれた幽霊ストリートや子供の頃の夏休みを思い出す海辺の空、夕暮れ、夜の浜辺（日焼けに火照った皮膚の感覚まで思い出しました）・・・・自然は偉大で恐ろしいんだと人間達のおごりを一掃させるような雄大な景色を一冊の漫画の中に表現できる人はこの人をおいていないんじゃないかと思います。

一巻、二巻を一気に買って読んだが、一巻よりも二巻は怖い。
一巻では「何かが起こりそうだ」という雰囲気だけだが、二巻ではいよいよ事件が起こり始める。
本当に何か起こるのか、起こらないのか･･･達観しながら読んでいたが、
このように具体的に物事が起こり始めると、「ええ？このマンガはどうなってしまうの？」とものすごく不安な気持ちになる。
つまり、この本の世界に完全に引きずり込まれて抜け出せなくなってしまいました。
これだけ、読んでいる人を違う世界に連れて行ってしまうこの作品のパワーはすごい！
五十嵐大介さんというマンガ家さんは、類のない絵を描く人と評価されているが、
お話作りでも類のないマンガ家さんですね。
ああ、早く続きが読みたい･･･これだけドキドキしながら続きを待つマンガはなかなかないな。

毎作が丁寧に描かれることで定評がある五十嵐。またしても傑作です
世界中の海洋生物にまつわる伝説を租借して、遥かな水底から届けられた
突然変異たちの物語。買ってから何度も読んでいますが、何度読んでも
溜息のでる美しくも厳しい話の運びです。もちろん画そのものも「巧いなぁ」。。。

人類の未来は地上にはない。まして宇宙にあるはずがない
人類の未来は、海にこそあるのでしょう

　幼年時代、ジュゴンの群れに育てられた少年、「海（うみ）」と「空（そら）」。第２巻では、行方不明になった「空」を探す「海」と、彼らに次第に惹かれていく中学生の少女「琉花（るか）」の話の中から、「海」と「空」の存在の神秘さ、不思議さが浮かび上がってきます。普通の人間とは違う能力を持つふたりの少年の様子には、どこか、人類とは異なる種族のにおいがあって、それが「琉花」の目を通してうまく描かれているんですね。
　さらに、第１巻で「琉花」がセンス・オブ・ワンダー的な驚きを味わった「ザトウクジラのソング（歌）」が、本書の中で意味を持ちはじめた気がしました。「くじらのソング」のような感じで、「琉花」はふたりの不思議な少年から呼びかけられ、そして出会ったんじゃないかなって。そんなふうに思えたんですね。どんなふうに聞こえるのか、知らないのだけれど＞海の中のくじらの歌
　それと、謎めいた新キャラが登場しますね。プロフェッサー・アングラードと呼ばれる青年。「海」と「空」と「琉花」のトリオ（三重奏）だったのが、ふって湧いたような彼の参加で、いつのまにかカルテット（四重奏）になっているなあ。と書いたそばから、あああああー（ゼッキョー）
　『月刊IKKI』 2007年６月号掲載になるのかな、第16話の「離陸」までを収録。2008年発売予定の第３巻が待ち遠しい。

五十嵐大介の作品に込められているイメージというのは，ものすごく直感的な科学のように感じます。するっと真実に近いところまで入り込んでいく感性を持っている人なんでしょう。

昔の人が生活経験に基づいて紡いでいった神話ではなく，昔の神話を模倣して作ったエセ神話でもなく，現代に生きる人が現代科学の目で，でも現代科学では測りきれないものが確かに存在することを感じ，紡いでいく現代の神話。これは，そんな作品なのだと思います。


いなくなってしまった空。空を追い求める海。琉花は自分の役割を理解する。神話は語り続けられていきます。

枝がとっても気に入っています。永久保存版として購入しました。大切にします！