大きな成功を収めた89~90年のワールド・ツアーの時とほぼ同じメンバーでレコーディングされた、93年発表のスタジオ録音アルバム。これといって特別に目新しい要素とかはないものの、シングル・カットされた「明日(あす)への誓い」をはじめ、気心の知れたメンバーとの一体感あるバンド・サウンドは聴き応え十分だ。
『フラワーズ・イン・ザ・ダート』の時からたびたび発表されてきたエルヴィス・コステロとの共作曲「ミストレス・アンド・メイド」「ザ・ラヴァーズ・ザット・ネヴァー・ワー」も手応えある仕上がりで、コステロのような刺激的なソングライティング・パートナーがいれば、まだまだポールは魅力的な作品を生み出せるという期待を改めて抱かせてくれたアルバムでもあった。(木村ユタカ)
安全地帯にいる感じ
★★★☆☆
可もなく不可もなしというところ。
バンドは好調、そのサウンドは心地いい。曲もまずまず。
しかしなんか物足りなくもある。
ゴドリッチがいうところの安全地帯にいる感じで、パンチがないのだ。
これほどの作品に文句をつけるのは間違いかもしれないが・・・
とくにバラード系に締まりがない。
コステロとの共作2曲はいい。『バイカー〜』も好き、『Get Out of the Way』もいい。『Looking for 〜』は東京ドームではとってもかっこよかった。『Peace in 〜』も同様。
爽やか、さりげな、サイコッ!YEAH!!
★★★★★
爽やか、さりげな、サイコッ!の三拍子揃った快作っす!前作『フラワーズ イン ザ ダート』をコステロと組みまくりでMAKEって、その後、お久ぁ〜でワ〜ルドツァ〜って、完璧GET BACK!YEAH!ポール!!ってた頃のアルバムっすから大モンポ〜ルの自信&余裕に溢れた一枚になっとりまっす!バンドは一緒にワ〜ルドツァ〜ったメンバァ〜で固めて、無駄ノッシングなタイトなサウンドに仕上げとりまっす!派手さは控えめっすが佳曲並びまくりっす!個人的には前作の方が好き好き大好き超聴いてMAX!っすが、アルバムの纏まり具合としては本作の方が上だぜ感、否めねぇ〜ぇぇぃ…っすねぇ〜ぇぇぃ…あと、他のレビュァ〜の方も仰られてるっすが、やっぱツァ〜やったお陰でポ〜ル声がアンチエイジング的に伸びやかぁ〜に若返っとりまっす!環境破壊etcポ〜ルのメッセェ〜ジも、つめ込められMAX!な一枚っす!大体ジャケ写のまんまの爽やかぁ〜な一枚なんで、ジャケ写、気に入った方はリッスン御薦めしまっす!やっぱポ〜ル、サイコサイコサイコッ!YEAH!!
ポールの声がよく出ている
★★★★☆
当時のツアー・メンバーによるレコーディングなので、バンドとしての調和がとれており、安心して聴けるアルバムです。ツアー中ということでポールの声がよく伸びています。ただしメンバーの顔ぶれからしてもやや地味で刺激は不足気味です。
不当に過小評価されている名盤
★★★★★
この頃のポールと言えば、前作品"Flowers In The Dirt"ばかり誉められている印象がありますが、本作品は個人的にはポールのソロ作品でもベスト3にはいるほどの名盤と思ってます。前作品に参加したコステロの影響か、全体にタイトなバンド・アレンジで、Wings時代のような甘い感じが無いですね。メロディも、総じて美しい。正直どのアルバムでも飛ばして聴かない曲がありますが、これは全曲好きです。このアルバムの為のセッションで録音された曲も「なんでボツになったの?」と不思議になるようなものばかりなので、それらをまとめて収録した2枚組の「コンプリート・ワークス」を探すべきでしょう。
パブロックとパワーポップ
★★★★☆
ポールは明らかに「TUG OF WAR」以降作曲スタンスが変わった。おそらく、ウイングス解散、ソロワークスにおいての大物ミュージシャンとの共演を経ていくうちに、言い方は良くないが「パクリの天才」になった。しかも、エッセンスだけを吸収し、ポール流解釈で仕上げるため、パクリ素よりもはるかにデキが良かったりするからスゴい。
このアルバムでは、前作共演のエルヴィス・コステロから辿ったと思われる、パブロックのエッセンスが随所に見受けられ、「ちょっとひとひねり」的な良質なナンバーが次々に繰り出される。また、サウンド的には、「待ってました」のバンド色強調アレンジ。パワーポップって言葉があるけど、ポールはこの時すでにやってたんだよ、それは。