「食事は人生の一大事である」というテーマのもとに 禅から見た食事作法が語られる。禅とは座禅だけではなく 日々の一つ一つの生活そのものが禅であると誰かが言っていたと記憶しているが その一環として食事を描ききっている。
振り返ると 我々の食事はどんなものだろうか。
色々な食事があることに気が付いて まず驚いた。場面、内容、相手などによって 我々の食事は全く異なったものになっている。孤独、恋愛、仕事、追悼、等など 食事を彩る「記号」の極彩色には 感心するばかりである。その意味で 「食事は人生の一大事」であることは今も同じなのかもしれない。
そんなことをぼんやり思いつつ読めてしまう本書である。そういえば「醍醐味」というのも 仏教用語であった。