インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

黒猫 (岩波文庫 赤 306-1)

価格: ¥819
カテゴリ: 文庫
ブランド: 岩波書店
Amazon.co.jpで確認
ポーである ★★★★☆
エドガー・アラン・ポーを知ったのは高校の教科書に『黒猫』が載っていたから。あとで推理小説の先駆けであることや、江戸川乱歩の由来になっていることを知りましたが、教科書には異質な内容であったことを覚えています。今改めて読んでみると、ポーの作品は分かりやすく、しかも面白い。推理小説の基礎を作ったといわれるのも納得。今ある推理小説は私には手が込みすぎていてあまり好きになれないので、これくらいがちょうどいいですね。
現出、ポオの世界 ★★★★☆
エドガー・アラン・ポオの作品は、小説でありながらまるで一枚の絵画や彫刻のような美術作品としての洗練された象徴性をもっているように感じる。これは、ポオ独自の幻想世界を創出するために、一つ一つの部分が、まさに絵画的オブジェクトとして、あるべくところに存在するためだろう。つまり、小説の中の全ての構成要素は、ポオの完全なる芸術を創りあげるために最高のかたちをもって貢献しているのだ。彼の作品は、理知性に基づく計算された作品だと言われるが、僕はむしろ彼唯一の芸術的感性によってこそ、その特異な幻想世界が現出されていると思っている。
決して忘れることの出来ぬ数学的阿片 ★★★★☆
完璧なまでに計算された筋、そして多くの追随者を生んだ異様で独特な雰囲気の世界、これらを描いたポオはしかし、実生活では、極度の飲酒癖、虚言癖、性的不能、分裂症、そのうえ作品は評価されず、死ぬ直前に“God help my poor soul!!!”と叫ぶなど、あまりにも恵まれない一生を過ごしたのであった。だがそのような狂気の中でこそ彼は異常なまでに研ぎ澄まされた美しくも怪奇的な作品、詩人、批評家ポール・ヴァレリーにして「決して忘れることの出来ぬ数学的阿片」と言わしめた珠玉の作品を生み出せたのかもしれない。まさに素晴らしい文学は天才か、狂人によって生み出されるものなのである。