著者がアリストテレス入門にとどまらず,アリストテレス研究の入門にもなるようにと考えた作品であるため,かなり専門的な文献批判的記述も含まれるが,興味のない人はとばして読めばすむ。
アリストテレスの入門書ではちくま新書からも「アリストテレス入門」が出ているが,自然学-形而上学-倫理学の体系的把握について,本書のほうがわかりやすく,記述も詳細で,上に述べたように引用文ものっているので,本書のほうが満足できるものであった。本書はこれからもときどき参照するかもしれないが,ちくまのほうは,一度読了すれば手に取ることはないと思う。
アリストテレスについて学び始めたい人には,こちらをおすすめしたい。