シングル盤を網羅したJBファン必携盤
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JBという人は、同時代の他のブラック・アーティストと大きく異なる点が二つあった。
一つは、伴奏に生のホーン・セクションを入れることにこだわりがあり、シンセ、フェンダーローデス、ファズ・エレキ・ギターへの依存度が極めて低かったこと。
もう一つは、アルバム・アーティストにはならなかったこと。
実際、彼の膨大な「オリジナル」アルバム群を眺めても、過去の収録曲を平気で再録したり、異なる録音年代のものを適当に寄せ集めたり、ヒット曲が出来るとそれをメインにLPを捏造してしまったり...つまり、60年代中期頃までの業界作法をかなり後半まで維持していた。
いきおい、本作のような「シングル全集」も、他のアーティスト以上に存在価値が高まる。
とにかく、他のアーティストのようにオリジナル・アルバムを網羅しても手に入らないトラックが多々あり、JBの熱心なファンなら必携でしょう。
珍しい写真や、ジャズ・アルバムなみにデータが完備された28ページのブックレットを調べているだけでも、時間が過ぎていく。
本作は第六巻だが、以前のアイテムは既に品切れになっているものもあるようで、早めに購入しておきましょう。