日本に初めてコンビニエンスストア・チェーンを導入し、その後セブン‐イレブンを名実ともに日本一の小売業に育て上げた名経営者、鈴木敏文。セブン‐イレブンやイトーヨーカ堂の成功、そしてこの人物を題材にした著作は数多い。しかし本書は、セブン‐イレブンで創業以来、毎週行われている社内の全体会議での、彼の発言をまとめたもので、生のメッセージを伝えているのが特徴である。かつて、「変化への対応と基本の徹底」をスローガンに、グループの業務改革を進めたということだが、本書はそのうちの「基本の徹底」をテーマにしたものといえる。それに対し、姉妹書の『商売の創造』は「変化への対応」が主題となっている。
鈴木敏文によれば商売の基本原則は、「クリンリネス(清潔)」「フレンドリーサービス」「鮮度管理」「品揃え」の4つだという。きわめてシンプルな原則であるが、各店舗や本部がこれを徹底し、継続していくことの大切さを、繰り返し述べている。そして、常にお客様第一の視点で考えるべきであると強調する。
本書に出てくる話題は、セブン-イレブンとイトーヨーカ堂内部の極めて実務的な話が殆どである。しかしそれだけに説得力があり、またコンビニエンスストアのビジネスの内幕をかいま見ることができて大変おもしろい。この名経営者の訴える、基本重視の考え(そして、それを実行することの難しさ)はどのビジネスにも共通することである。業種を問わず、企業経営に携わる人におすすめしたい1冊である。(戸田圭司)
名著にふさわしい本
★★★★★
数年前に初めて読んだ時から、深い見識と実体験からくる内容に、
非常に感銘を受けました。
この本が素晴らしいのは、小売業、コンビニエンスストアと
いった身近にあるテーマから、大切なことを学べる点です。
具体的であるため、想像しやすく、小売業や、
コンビニエンスストアの仕事がわかるのはもちろんですが、
商売の本質についても学べると思います。
私が薦めたのもあるのですが、普段ほとんど本を読まない、
自営業の父が熱心に読んでいたのが、印象的でした。
以下の小売り業の基本4原則については、
人間に置き換えても、魅力ある要素である気がしました。
品揃え・・レスポンスが早い
鮮度管理・・(成果の)品質が良い
クリンリネス・・・清潔感、
フレンドリーサービス・・・笑顔、礼儀、コミュニケーション能力。
あれから数年たった今、読み返しても襟を正されるような気がします。
初心を忘れないように、そばに置きたい本です。
基本原則とは何か?それが徹底されているか?
★★★★★
品ぞろえ、鮮度管理、クリンリネス(清潔)、フレンドリーサービス
この4原則をまず徹底することからはじめる。
いますぐできることばかりですが、それが継続できるかどうかが肝なわけです。
とりわけ厚いわけでもないですし、難しい言葉で語られているわけでもなく、
とても読みやすい、
ですが読み返すたびに新たな発見があります。
仕事と人格は同じではないという姿勢がすばらしいです、
失敗をしでかしたときに訂正するべきはそのやり方、方法論であり、
当事者の人格まで傷つけてはならない、愛ですね。
20世紀が経済学の時代ならば21世紀は人間心理学の時代と評されるように、
たんなる数字の管理だけに終始していないところがまたいい。
FC等で展開できるかできないかの差はカンタンにできるかどうかという部分があるのおもいますが、
その点でも本書はいろいるなことを教えてくれます。
顧客主導型ビジネスの原点を見ることができる!
★★★★★
別途発刊されている『商売の創造』と対を成す書籍.前書が変化への対応を主にまとめているに対して,本書では商売の基本について徹頭徹尾追求している.2冊セットで読むべきであろうし,共にすばらしい内容だと思う.
商売の基本は,自身を如何に客観視でき,顧客志向に成れるかである.完全な買い手市場に移行した昨今,廃却ロスをおそれて機会喪失,つまり欠品を出して顧客を失望させることは顧客志向になっていないと説いている.過剰に廃却ロスを恐れることは,売り手の主観に捕らわれすぎているが故である.小売りの話ではあるが,小売りに限定されない奥の深い内容になっており,読むと心に響くものが必ず読者に訪れると考えます.
胸のすく一節,『会社という組織はおうおうにして,俺のメンツがどうだとか,顔を立てるだとかいわれます.しかし,お客様のためなら上司の顔の一つや二つ潰れてもかまいません.仕事の上で正しいことに対しては,上も下もありません!』.あなたの会社ではいかがでしょうか?
全商売人必読!!
★★★★★
もはや、この内容に異論を唱える人はいないはず。
商売に関わっている人は必読。鈴木氏ならではの原理原則に基づいた理論が書かれている。
この内容は本にしようとしていたものではなく、鈴木氏が社員に語りかけた数百回もの講義の中から抽出されているものなので、真実をついている。本人が言うように、何度も何度も同じことを言っているが、それが最も大切なこと。
本書の中では、最も根底に流れている商売に大切な原理原則を、丁寧にわかりやすく伝えている。どうしてこれほど説得力があるのでしょう、この本。
良書
★★★★★
この本はお勧めです。
小売業界について書かれた本の部類では、
分かりやすい文章で書かれた部類に入ります。
私自身、
今、小売業に従事していますが、
実際に働いてから、
このような事が言いたかったんだなって
思う点もありますし、
まだまだ、
私には出来ていないなって反省する点もあります。
この本は、
小売業以外に従事している
人以外も、
読んでみて決して損をしない本だと思うので、
ぜひ一度読んでみてください。