インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

ヤイトスエッド

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
Amazon.co.jpで確認
クチュクチュバーンの衝撃、ふたたび。 ★★★★★
すごいすごいすごい!傑作短編集。
極端なキャラクター。ひそやかに倒錯した狂女の名鑑だ。
日常に潜む狂気とセックスアピールが緻密な筆で混ざりあったとき、かくも淫靡な
芳香を放つものなのかと驚かされる。

表題作もいいが、私は「B39-U」の魔女裁判の妄想に駆られる破滅願望女、
「不浄道」の潔癖と究極のロハスのあいだで揺れ動く女が大好きだ。作中に登場する
男たち同様、抱きたいとさえ思った。これが萌えというものなら、読書で萌えるのは
はじめてかもしれない。そのくらい人物が極端だが魅力的に描かれている。
ただのグロテスクや奇を衒ったスケッチに終わらない、極限的な姿の先にある哲学、
思想、彼岸に近づいたときの人間の心理が丹念に描かれていて、ユーモアさえある。

「ヤイトスエッド!」
この言葉はどこかで言いたくなりそうだ。






目をそらさないで ★★★★★
 この作家さんの作品はいつも、単に『気持ち悪い』だけで終わってはいけないと思う。例えば「B39」に描かれている過激な性描写やおろかな男たち、それに翻弄される女たちはそのまま、過去や現代に世界中のどこかで起こっているであろう悲劇の縮図ではないのだろうか?「B39ー2」を続けて読むとそのことがわかるような気がする。平和な日本でのほほんと暮らしている私たちも、そのような不幸な事実があること、また、歴史の繰り返しの中で、人間というものはとても愚かな動物であることを知っていなければならないのではないか。何もできなくても、知っていることで何も変わらなくても、知らないより知っていなければならない。そのことを教えられているような気がする。
 「鹿の目」や「不浄道」では、人やその生き方を崇拝することで、その全てが意味を持ちどんどん膨らんでいく中で人間がいともたやすく変わっていくことの怖さ、またそれが崩れ去り(思い違いだったと気づき)その時の自分の苛立ちやがっかりする思いが面白く描かれている。「ヤイトスエッド」にしてもそうであるが、何事も行き過ぎるといけないということなのかな。「鹿の目」に表現されている桃子の部屋の空気などの描き方が私は好きだ。